ジョコビッチと国家主権

テニス界のスター、ジョコビッチ選手が全豪オープンに出場するためにオーストラリアに来たものの、結局は国外退去させれられることになりました。

ワクチン接種を巡る問題から始まり、申請書類の不備や昨年の新型コロナ感染後のイベント出席などスキャンダルがこれでもかと出てきた挙げ句の顛末でした。

州政府が入国許可を出したけれど豪政府が拒否をしたという記事も見かけましたが、事の真偽はどうあれ、国家への入国者に許可を出すのはあくまで国家ですので、ジョコビッチ側が豪政府の対応を甘く見ていたと言わざるを得ないでしょう。

まさか、自分はスター選手だからそこら辺の凡人とは違って特別待遇で入国できるだろうと思い上がった自惚れを持っていたわけでもないでしょうに、なんでこんなことになったのですかね。

自国に対して好ましからざる外交官を国外退去させることが出来る、ペルソナノングラータという仕組みが国家間外交の世界ではありますが、外交特権がある外交官に対しても国家主権を持つ政府は追放することが出来ます。それこそが主権と言えるのですが、入国ビザだって例外ではありません。

誰を入国させて誰を入国させないかは入国する国家・政府の判断となります。これを悪用すれば独裁国家が自国内でやりたい放題できるわけで、それはそれで良くないのですが、今回のジョコビッチ問題はそういうわけでもありません。

ジョコビッチが、オーストラリアに入国する他の人間とは異なる待遇を要求して断られただけの話です。

彼を擁護していた出身国のセルビアも、まさか国家主権に関わる入国問題でオーストラリアを批判し続けることもないでしょう。有耶無耶にするはずです。もし、オーストラリアにジョコビッチ入国を要求すれば、セルビアが拒否する人物をその出身国が要求することも認めざるを得なくなります。

しかし、ジョコビッチの肩を持って擁護する他のテニスプレーヤーが多く出てこないのもなんというか、もしかしてテニス界で嫌われているのかなと、テニスに疎い者にしてみたら邪推してしまいます。

それはともかく、今後のウィンブルドンのイギリス、全仏オープンのフランス、全米オープンのアメリカという各国政府もジョコビッチに対しては同じ対応を取るでしょう。大会までに新型コロナの感染状況が落ち着いていて、入国ルールが緩和されていれば別でしょうけれど。

その時になってワクチン接種したらしたで、じゃあなぜ全豪オープンの前に接種しなかったのかという話になります。どうするんでしょうね。

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