電子手形(電子記録債権)への移行が本当に出来るのか

1年近く前にこんなnoteを書きましたが、

https://hrsgmb.com/n/nb60f88b5f8a8

政府の方針として、やはり2026年での手形廃止の方針はそのまま進むそうです。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220222-OYT1T50294/

紙の手形は2000年から9割減ったと上記記事には書かれていますが、バブル景気のピークかつネットバンクが普及していなかった1990年には4,797兆円の交換高だったそうですので、その時の2.5%に減ったことになります。

とはいえ、まだ122兆円=約1兆ドルという規模はGDPランキングだと16位のインドネシア辺りになります。国内総生産と手形交換高を単純比較するのは無理がありますが、それだけ手形取引が日本経済の一部を担っていることには代わりありません。

約束手形で超長期のサイトの振り出しをすることが、大企業が零細企業を虐げている、というストーリーになっているのですが、確かにその点はあれど紙の手形を銀行・割引業者に持ち込んでの資金調達というシステムは出来上がってから長く続いて来ました。

手形交換所での取扱が禁止となっても、手形に裏書きして回していくことは出来るでしょうが、どこかで誰かが振出元から支払ってもらわないといけないので、事実上の手形禁止です。大手銀行も手形の発行自体を止めるでしょうね。

これまで手形で資金繰りをしてきた中小零細企業ではかなり厳しいのではないでしょうか?

零細企業は手形を受け取る側だけではなく、手形を振り出す側でもあります。振り出す側としては、振出日に資金を用意しなくても大丈夫で、決済日に用意していれば良いというメリットがありました。

もちろん受け取る側としても、決済日までの日数(サイト)がずっと先でも、割引に回せば当座の手元資金に出来ます。その割引手数料が中小企業を苦しめている、ということですが、本当に4年後に禁止できるのでしょうか?

キャッシュレス化の一環としての政策であるので、政府が求める電子記録債権での取引にもでんさい割引という仕組みがあります。ただ、これまでずっと手形で決済してきた零細企業があと4年でみんな電子取引に移行出来るとは思えません。

電子記録債権での割引の手数料の全部や一部を税金で負担でもしない限りは、零細企業が踏み切れないと思うのですよね。とはいえ、税金でカバーすることにしたら、むしろ大企業が振込を止めて電子記録債権で長いサイトで振り出す理由にもなってしまいかねません。難しいですね。

ふと思ったのですが、電子記録債権では、不渡りを誘発しかねない融通手形(現実の取引がないにもかかわらず、資金調達目的に振り出される手形)を生まない仕組みになっているのでしょうか? でんさいネットのホームページを見ても、当たり前ですがQ&Aには「融通手形のようには使えません」なんて書いてありません。

融通手形の中でも交換手形の場合は、本来受け取る側の企業が支払う側になっていたり、同日同金額での決済になっていたりと、おかしな点は見つけられます。しかし、たまにニュースになる循環取引のように2社間ではなく3つ4つの企業を挟んでしまえば判別しづらくなると思うのですが、そう簡単には出来ない仕組みになっているはずですよね。

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