自然災害だけではなく、急激な気温の変化だけでも電力需給が危機的な状況になり得ることを、2011年や今年、まさに日本人は知らされたわけですが、もし電気が使えなくなったときにどうやって過ごすか、ということは誰もが意識せざるを得なくなりました。
地震や台風などの大規模な自然災害が無くても自宅の電気が一定時間使えなくなるとしたら、自衛手段も考えておかねばなりません。夏場は涼を取れなくなると、冬場は暖を取れなくなると人命にも関わってしまいます。
エアコンや電気ストーブ、オイルヒーターなど電気で暖める器具は停電すれば全滅です。一つの手段に頼ることの危険性を感じてしまいますが、今どきの家・マンションは気密性が非常に高くなっているため、ガスストーブや石油ストーブを使わない家庭も多いでしょう。そもそもマンションではガス・石油によるストーブの使用を禁止しているところも多いです。
ガス給湯器は電気で熱を生み出すものではありませんが、電源が起動に必要な場合は停電時には使えないものもあります。給湯器やガスコンロが使える場合も換気扇が回りませんので換気に注意が必要です。
そう考えると今の子どもさんにとっては、オール電化でストーブ禁止のマンションに育ち、線香を上げる仏壇がない家庭に育ったとしたら日常で火を見ることが無いのかも知れません。親がタバコを吸わなければ家庭にマッチもライターも無いはずです。
火を使うことの重要性と危険性を学ぶ機会は、学校行事でのキャンプファイヤーや飯盒炊さん・バーベキューくらいでしょうか? 停電時にマンション内で焚き火をして暖を取ることなどないでしょうけれど、火を使って体を温め、料理を作り、灯りを点けるということは現代日本の都心部では珍しい行動になりつつあります。
1日くらいならひたすら我慢我慢でなんとかなると思ってしまいますが、病気や障害などで体が自由にならない人、あるいはお年寄りや体の弱い人・子どもにとっては一晩の停電でも大変です。
最近は停電に備えて大型のモバイルバッテリーを常備している人もいます。スマホやパソコンなどの電子機器はそれで使えたとしても、半日暖房器具を使い続けるほどのバッテリーとなると相当な大きさが必要です。そこそこのバッテリーはあくまで備え程度に思っておくべきでしょう。
停電しても数時間、半日程度で必ず復旧するなら、火の使い方を全く知らなくても良いのでしょうが、火事にならない火の使い方というのは知っておいて損はしないと思います。
ただ、テクノロジーの進歩によって、非常時に火を使わなくても済む災害グッズも出てきました。先述の大規模バッテリーもそうです。水だけで発熱する石灰を使った発熱剤も珍しくありません。携帯型のガスコンロは日常的にも使われるようになりました。
そういった、直接的な火が無くても生きていけるテクノロジーがもっと進化すれば、人類文明発祥の要因でもある「火」を知らないままの人生を過ごす人々が、いずれは出てくるのでしょうね。
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