核兵器・放射線被害の経験を生かす国、学ばない国

ウクライナの戦況はウクライナ側の多大な損害、被害を生みながらも、ロシア軍の苦戦が続いています。そんな中でもロシア政府はロシアが生存の危機に立てば核兵器使用も辞さないとほのめかしています。しかし、そもそも今回の軍事侵攻(ロシアの言う「特殊作戦」)自体がロシアが始めたものであり、そもそもウクライナの存在を消そうとしておいて、ロシアが糾弾され政権や国体を転覆される場合に核兵器を持ち出すのは身勝手極まりない話です。

個人的に気になったのが、核兵器を持ち出して脅す側も脅される側も、本当の核兵器による被害をどこまで理解出来ているか、ということです。もちろん、軍事関係者や医療関係者は詳しいでしょうし、ちゃんと学んでいれば職業や立場に関係なしに理解出来るはずですが、とてつもなく強大な威力を持った爆弾という認識に止まっていたりしていないでしょうか?

もしかしたら、攻撃側も核兵器を使用するということがどれほどの破壊的な被害を使用地域にもたらすか、ということが不正確にしか認識できていないのであれば、これはとてつもなく凄惨な悲劇になりかねません。少なくとも、核兵器を使用してもしようがないと思っている一般人がいるとすれば、理解出来ていないでしょう。

この点に関しては、専門家はともかく一般人、普通の国民レベルにおいて、日本人は紛れもなく世界で最も詳しく、核兵器の悲惨さを子供のうちから学んでいる国民でしょう。

ロシアが使用をほのめかす核兵器は広島、長崎の原爆よりも遥かに強大な威力を持っています。地域が限定されていても使用された地域は何も無くなります。

もし使用すれば、プーチン大統領及びロシア軍関係者は相当な罪を背負うことになります。

日本への原爆投下を行ったアメリカ合衆国への非難もプーチン大統領はしていましたが、そもそもの被害国の日本自体が対露制裁において欧米諸国と並んで行っていますので、言ったプーチンが空虚な勇ましさを世界中にさらけ出しただけに終わりました。

プーチン自身が広島長崎に言及しながら、いざとなったら核攻撃するぞ、と発言するのは矛盾の塊でしょう。

核武装による核抑止について日本も加わるべきと言う議論もあります。ただ、日本人には核兵器に対する嫌悪感も、おそらくは世界的には高いレベルでしょう。

広島、長崎の原爆投下とその悲惨さは、日本では誰もが知る話であり、世界的にも広がってきました。

ただ、どうしても広島・長崎への原爆投下にクローズアップしてしまいますが、日本人が核兵器による被爆をしたのは3回です。

日本の領土内での核兵器使用はその2回ですが、朝鮮戦争の停戦翌年にあたる1954年、第五福竜丸がマーシャル諸島でのアメリカ軍の水爆実験に巻き込まれて、乗員全てが大量の放射線を浴びました。このことも忘れてはなりません。

また、日本人も核兵器による被害を受けたのは日本だけだと思いがちですが、当時日本の植民地だった台湾、朝鮮半島、満州や中国各地から日本に来たそれら地域の住民の中にも被爆者はいます。戦前は一応は日本国民でしたが、戦後はその大半は日本国籍を失い外国人とされました。その人たちの被爆も忘れてはいけないものです。

さらに、前述の第五福竜丸が受けた水爆実験による放射線は、マーシャル諸島の住民にも同様に降り注ぎました。核兵器使用による被害を受けたのは日本だけではないことも、頭に入れておくべきです。

だからこそ、核兵器でなくともチョルノービリ原発事故の被害をウクライナと共有していたはずのロシア軍が、その地で塹壕を掘って被爆したという話はあまりに酷い話と思わざるを得ません。

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