国際連合という巨大「軍事同盟」組織

ついにロシアが部分的な総動員に踏み切りました。ロシアによるウクライナ戦争はさらに泥沼化していくことは確実になりました。先だってロシアに対して国連総会において、日米欧による強い非難もありましたが、プーチンが意に介することはもちろんありません。

国際連合が役に立たないという意見も戦争・紛争が起きる度に出てきますが、国連が役に立てる紛争と、そうでないものがあります。国連安保理常任理事国5ヶ国が直接関わっていない紛争、もしくは大きな利権を抱えていない紛争については、国連が大きな役割を果たすことが出来ます。

紛争解決には当事者の戦闘行為を止める強制力が必要であり、強制力とはこの場合は軍事力そのものです。経済封鎖程度では止まりません。国連加盟国の中の大国が単独もしくは共同で、紛争当事者を(言葉は悪いですが)脅して黙らせるのです。アメリカばかりが目立ちますが、それ以外にもイギリスやフランスも派遣していますし、西側諸国以外でも例えば少し前のナゴルノカラバフ紛争ではロシアが軍隊を駐留させて停戦させていました。

常任理事国が関与している場合は、その軍事力行使が常任理事国同士、すなわち核戦争に直結しかねないので、「国連が役に立たない」状態に陥ります。

これは国連の成立過程と構造に直結する問題ですので、永続的に解決は不可能です。可能にするには常任理事国制度を廃止もしくは国連を廃止して新しい国際組織を作るしかありませんが、どう考えてもその過程でもっと大きな揉め事に発展する未来しか見えません。

国連そのものに国連軍という強制性を持つ武力装置が存在していない以上は、紛争解決組織というよりも紛争やそれに関係する問題の調査・調整を行う機関だと思っておけば、それほど悪くはないでしょう。

国連そのものは紛争を停止させることは出来ませんので、紛争停止あるいは抑止できるような国家との軍事同盟がどの国にも安全保障をもたらすことになります。もしくは、スイスみたいに山脈が軍隊を防ぎ、周辺国も野望を持たず、侵略するほどのメリットも無さそうな地政学的理由があれば同盟無しでも生存できるでしょうけれど、そういう国はごく稀です。

もしも日本に他国が攻めてきたらどうするかという質問に対して、国連に助けてもらうという回答はゼロ点です。軍事力という強制性を持った暴力装置でしか停戦できません。そして、第二次世界大戦後の常任理事国が関与した紛争では常任理事国側が満足するか撤退するかしか停戦・終戦は成立していません。

撤退させるには抵抗するしかなく、事実、1960年代〜70年代のベトナムや1980年代のアフガニスタンはそれぞれアメリカとソ連の軍事侵攻をはねのけました。

大国による侵略を自分たちでまず対抗しない限りは、他のどの国も助けてはくれません。場合によっては、対峙する大国と敵対する別の大国の助けは得られますが、今度はその国の影響力を排除する必要が出てきます。まさにベトナム戦争時の北ベトナムを中国やソ連が支援し、戦後にカンボジア侵攻を巡って中越戦争が起きたのは典型的な例です。

今、ウクライナはロシアと戦うために西側諸国の支援を求めていますが、早々と敗北したり降伏してしまっていたら、今頃は全土がロシアが支配して西側諸国もその支配を黙認していたでしょう。

国際社会は自力救済の世界です。自らを自ら助けない者はうち捨てられます。だからこそ軍事同盟を締結しているのですが、軍事同盟によって戦争に巻き込まれるという理屈は成り立ちがたいです。何せ、国際連合自体が本来は「軍事同盟」なのですから。

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