予測に願望を交えるとロクなことになりません。
2月末にロシアによるウクライナ侵攻が始まった際、多くの人が暴挙だとなじりました。それは確かにそうなのですが、各国による経済制裁や、ウクライナ軍の反攻を受けて、
「ロシアは1週間後には破綻する」
「ロシア軍は1ヶ月もたない」
「プーチンは3ヶ月後には失脚している」
といった言説を公言していた人たちは、今何をしているのでしょうかね。
今も似たようなことを言い続けているのでしょうけれど、多分そういう人は、十数年前には、
「中国は北京オリンピック後に破綻する」
「中国は上海万博後に大不況になる」
「中国は国家が分裂する」
なんてことを言っていたはずです。
だからと言ってロシアやプーチンを支持するつもりは毛頭ありませんが、今後の情勢の一番高い可能性は、
「このまま」
でしょう。多少の戦局の変化や、ロシア支配地域の増減はあるでしょうけれど、ウクライナ全土がロシアによる支配を受けたり、逆にロシア軍が完全敗北して逃げ出すという状況の方が読みづらいです。
何が起きるか分からないと言えばそうなのですが、少なくとも適当な発言をして省みないよりは、厳しい情勢が続くと覚悟しておいた方が、大きく外れることはありません。
ウクライナ情勢がこのまま固定化されてしまうと、国際社会も新冷戦とも言うべき状態になってしまいます。
ウクライナもロシアも敗北を認めないでしょうし、停戦すら行われなければ、朝鮮半島よりも厳しい分断が待っています。
今が新冷戦の始まりなら、ウクライナやジョージアは分離国家として固定されることになってしまいます。
また、ロシア産の天然資源が無くて困る国家はいくつもありますが、逆にそこを乗り越えてしまえば、ロシアの天然資源輸出産業は経済制裁撤廃後も売る市場そのものを失ってしまうことになります。実際には反米勢力の中国、北朝鮮や、中立的なインド、アフリカ諸国、中東諸国がロシアとの取引を続けるでしょうけれど、石油・天然ガスに関しては中東が、貴金属類・レアアースなどは中国やアフリカがそもそもの商売敵でもあります。
経済規模を考えると、ロシアが中国の下風に立っていくことは間違いないはずですが、偉大なるロシアと言いながらそれで良いのでしょうかね? そう言えば似たような事を言っている国が日本のすぐ側にありますが。
かつての太平洋戦争末期、苦境にありつつも戦い続けていた大日本帝国を諦めさせたのは、原爆投下とソ連参戦でした。今のロシアを苦境に追い込んでからの決め手になるとしたら、中国がロシアと手を切ってしまうことでしょうけれど、そんな事態にはならんでしょう。
それこそ、予測に願望を交えるようなものです。
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