かつてフィギュアスケート界で皇帝と呼ばれたプルシェンコ氏が、ロシアのウクライナ侵攻に関してひたすらプーチン大統領に阿る言動を繰り返しているのを見ると、特にフィギュアスケートに思い入れもありませんが悲しくなります。
もちろん、スポーツ界で優れていることと、平和主義や民主主義とは全く関係がありません。思想的にヤバい人でも、その分野において優れていれば活躍できるのですから、プルシェンコが国家主義的思想にまみれていても別におかしいわけではありません。とはいえ、もしこの戦争がロシアの敗北のような形で終結することになれば、彼はその後どうやって生きていくでしょうか?
ロシアでプーチン体制が継続するのならともかく、プーチン体制が崩壊したら今度はその後継者に従うのでしょうか。いきなりスパッとアメリカが望むような自由的・民主的な政府になるとは思えませんが、もしそうなったら国内で生きていくことは無理でしょう。
とはいえ、かつての日本で太平洋戦争において政府や軍部の方針に積極的に従っていた人たちも、戦後みんながみんな生き残れなかったわけでははにので、教科書を塗りつぶすくらいの思想転向を行えば何とかなるかも知れません。文学報国会にはほぼ全ての文筆家が積極的に、あるいは嫌々ながら加わっていましたが、従わなかったのは中里介山と内田百閒くらいで、当然ながら戦後にみな文化人として生きています。
アジア最高の映画俳優でもあったジャッキー・チェンは、今や中国共産党に忠実なことで知られています。現代中国で生きていくにはそうするしかないと言えばそうなのですが、中国国外で生きていくに十分な財産も稼いでいたはずで、今の彼は積極的に加担していると言われても仕方ないでしょう。
かつての日本の学生運動、安保闘争のころには、スポーツ関係者・体育会系の人は保守側で、文化人・芸能関係者は大半が革新・左翼系でした。
冷戦構造そのものが反映されていたわけですが、それを思うと今の時代における立場・ポジションによる思想的な差異というのは、個人的になっています。
個人主義が当たり前になった21世紀だからこそであり、また、インターネット・SNSにおける表現や意思の発露が容易になったからでもあるでしょう。
今の芸能界もスポーツ界も、大半の人も団体も独裁者とは一線を画しています。
ジャッキー・チェンもプルシェンコも既に第一線を退いている過去の人ではありますが、影響力があるうちは当局も利用します。中国がいきなり民主化されるのはロシア以上に可能性が低いので、ジャッキー・チェンが生きているうちに地獄を見ることにはならないでしょうけれど、プルシェンコはどうですかねえ・・・。
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