決勝のカードはアルゼンチン対フランス。どちらも過去に2回の優勝経験があり、3回目の優勝を狙っての決戦となりました。若き英雄として連覇を狙うエムバペと、2006年大会から連続出場の集大成としたいメッシの戦いでもあります。
フランス代表チームは体調不良者が続出しているとの報道もありましたが、ブラフかも知れないと思いつつ、いざキックオフ。
開始直後から、解説の本田氏が何度も言及するように、明らかにフランスの選手たちの動きが悪く、ミスが多いもので、体調不良が本当だったのでしょう。
ディフェンディングチャンピオンが決勝で、試合前に体調不良の選手を出場させて・・・となると、おっさんサッカーファンとしては1998年フランス大会でのフランス対ブラジルの決勝で、体調不良だったロナウドが、噂ではスポンサーの意向で無理矢理出場させられ、結局ダメダメでジダンの2ゴールを含む3-0というスコアでフランスが完勝した試合を思い出します。
そしてその試合をなぞるかのように、21分にディマリアが「上手い」ドリブルでPKゲット、そしてメッシが決めて押しているアルゼンチンが先制。
フランスはその後も単発の反撃がいくつかあるだけで、試合の流れを反転させることは出来ず、デシャン監督が手を打つ前にアルゼンチンが2点目をゲット。98年の決勝も確か前半で2-0になったのですよね。
そしてハーフタイム近くなってから、フランスが動いて2名も交代。今大会4得点のジルーを代えるのは本当に不本意でしょうけれど、得点以前にこのままだと3点目を奪われるのが目に見えているため、緊急的な応急処置なのでしょう。
その措置が効いたのか、一応はそのままで前半終了。ある意味お互いに予想しなかったスコアのはずですが、フランスは何があろうと45分で2点は取らないといけません。
後半は両チーム交代なく開始。アルゼンチンは焦らずこのまま攻め、相手の圧力が強ければカウンター狙いに切り替えればいいだけです。
攻めるしかないフランスのはずですが、後半もアルゼンチンのペースのまま時間は過ぎていき、あわやという場面はアルゼンチンにばかり訪れます。
アルゼンチンがキレキレだったディマリアを交代させた後から、フランスが攻め始めました。
フランスの初シュートは後半26分のエムバペが最初でした。そのことからもフランスの苦戦っぷりが分かるものですが、その直後にフランスがさらなる交代カードを2枚切りました。
そして33分、遂にフランスのチャレンジが実を結びPKゲット。これをエムバペが読まれながらも決めて2-1と追いすがります。
さらに直後、浮き球のパスを受けたエムバペが身体を倒しながら完璧なダイレクトボレーで同点ゴールを奪いました。これで2-2。日本戦のスペインのように5分だけパニックに陥ったアルゼンチンは痛恨の2失点となりました。70分はほぼ完璧だったことを思えば、選手も監督も信じられないでしょう。
体が重かったフランスが水を得た魚のように軽やかに動き始めた一方で、2点差を追いつかれたアルゼンチンが急に守備も攻撃も苦しみ始めました。
今にして思えばディマリアを下げたのが間違いにも思えますが、そんな検証をしている余裕が無いアルゼンチンは延長に持ち込んで切り替えるしかありません。
と思っていたらアディショナルタイムでアルゼンチンも最後の力を振り絞っているのか、メッシの強烈なミドルもありました。
死力を尽くした決勝戦は2-2で延長戦へ。エムバペのヤバさが後半途中から突如出現しました、アルゼンチンはその前に3点目を取ってで仕留められなかったの悔やまれます。
延長前半はフランスにもアルゼンチンにも決定機があり、それを必死でクリアして逃れる場面の応酬です。
延長後半。エアポケットのようなフランスの守備の甘さが突如表れ、GKが弾いたボールを押し込んだメッシが勝ち越し弾を母国にもたらしました。
フランスは呆然となり、アルゼンチンは歓喜に沸くスタジアム。延長前の後半からの流れでは、フランスがいずれ勝ち越すか、アルゼンチンがPK戦に逃げ込むかのどちらかかと思いきや、アルゼンチンのレジェンド、バルサのレジェンドのみならず世界のサッカー界のレジェンドが自身の伝説に最後の一花を添えました。
と思いきや、延長後半11分にエムバペのシュートからハンドにより再びPKの判定が下されました。これをエムバペが決めてハットトリックにより3-3のタイスコアにまたもや持ち込みます。
おそらく、この試合は将来に語り継がれる決勝戦となるでしょう。
その後も、両チームとも勝ち越しゴールのチャンスがあるも決めきれず。エムバペの恐ろしいドリブル突破をかろうじてクリアしたところで120分が終了。決勝がPK戦になるのは1994年、2006年に次いで3度目となりました。
PK戦はエムバペとメッシが共に1人目のキッカーとして登場し、両者ともあっさり決めましたが、フランスは2人目・3人目が外し、アルゼンチンは4人全員が決め、遂にメッシがワールドカップの栄冠を手にしました。
メッシの素晴らしさを言うのは野暮でしょう。アルゼンチンはマラドーナがいた1986年以来の優勝を成し遂げましたが、それよりもワールドカップ連覇がこれほど難しいものなのかと、改めて思いました。
これほど強いフランスが、エムバペが大爆発しても連覇できないものなのか。イタリアが連覇した34年・38年はまだ大会自体が若かった頃ですし、58年・62年大会は16チームの開催だったこともあるでしょうけれど、今後も連覇する国が出てくるのは相当難しそうです。
カタールワールドカップはメッシの笑顔のまぶしさで大団円を迎えました。
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