ロイター通信でこんな記事がありました。
https://jp.reuters.com/article/idJPKBN2UC093
Microsoft、Google、Meta(旧Facebook)といった、名だたるIT界の巨人企業でも、ハードウェア産業で安定的に売上・利益を上げるのは難しいようです。Microsoftのマウス、キーボードは非常に優秀ですが、あれは元々完全に別部門だったような。ソフトウェアに絡めて作るハードウェアでは、WindowsCE以来ずっと上手く行きません。最近のSurfaceはマシな方ですけれど。
Googleも、スマホ・タブレットは良い出来のものとそうでないものとが交互に出ている印象があります。Nexus7、Nexus5あたりは非常に素晴らしい出来だったのですけれどね。
MetaはFacebookフォンから何をやっているのかがよく分からなくなっていますが、Oculusは買収したものですから何とかなっているのでしょう。
一方で、Appleはハードウェア産業としても巨人です。というかむしろAppleⅡのヒットから始まっていますので、ハードウェア企業が本体です。AmazonなんかはFireシリーズや色々出していますが、ソフトウェアを使ってもらうために利益度外視の値段ですからハードウェア産業と言ったら変です。
さて、こういったソフトウェア企業がハードウェアで苦戦しているのは、ハードウェア企業としてのノウハウや経験の蓄積がないことに加えて、ハードウェア企業としての本質や理念を持ち合わせていないこともあるのかも知れません。
昔、私は日本の大企業も政府もハードウェア、「ものづくり」を重視しすぎてソフトウェアを過小評価していると勝手に個人的に憤慨していたものですが、こうなってみると、ソフトウェア産業が全てを支配するという時代もそうそう来なさそうです。もしかすると、ハードウェア産業を握っているところが、再び価値をもつ時代が来るかも知れません。
そもそも、あらゆるソフトウェアはゼロ円に限りなく近付いていきます。限界費用ゼロ社会はソフトウェア・クラウドにおいて誰もが容易に実感出来るでしょう。
その一方で、ハードウェアそのものは完全にゼロ円には当分はならないでしょう。モノをモノとして作る以上は、完全に費用をゼロとすることは不可能です。誰かが負担せざるを得ません。
ハードウェア産業、ものづくりの分野において、コモディティ化したところは厳しいですが、まだまだ日本企業に優位性がある分野は存在します。コモディティ化によってほとんど全ての「モノ」は低額化していきますが、ゼロ円にはなりません。モノがある以上は値段は付きます。
メタバースが完全に普及したところで、生身の人間がそれに接続するには機械装置が必要です。マトリックス的世界になったとしても、インターフェースを脳ミソに差し込まねばなりません。
ソフトウェア業界において日本が一発逆転、世界を支配する立場になるのは無理でしょうから、なんとかキャッチアップ出来るくらいには踏みとどまって、ハードウェア業界で長年の「ものづくり」の知見経験を活かして利益と存在感を維持していけるのであれば、日本の将来はそんなに暗くないのではないでしょうか。
ただ、人口が減っていくことが一番の問題ではあるのですが。
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