お金は寂しがり屋だからお金を持っている人のところに集まる、と言われることがあります。
言い方を変えると金持ちはさらに金持ちになっていく、ということでもあります。
まるで万有引力のようですが、人類の歴史上において利子という発明によって、お金がお金を引き寄せる傾向が強まったことは確かでしょう。お金を持っている人はお金を稼ぎやすいのです。
あんまり金のことをがめつく言うと嫌われますが、この「何かを持っていると、その何かがさらに集まる」というのはお金に限ったことでもない気がします。趣味に関する物品や情報のような無形のものまで、集まるところに集まりがちです。
その最たるものが人間でしょう。
人が人と集まるのは何も寂しがり屋だからではなく、それによって生活上、経済上、あるいは防衛上の観点で都合が良いからです。
動物が群れるのは種の保存のためですが、人間が群れるのは自らやその家族たちの生存という理由に加えて、生活が便利になることもその一つです。
だからこそ、集落を作り、村になり、街に集まり、都市を築き、大都会に囚われて生きていくことを選択します。
ごく稀にそのような人の集まりを嫌って孤独を選ぶ人もいますけれど、マクロ的に見れば確実に人は人を呼び集めます。
なればこそ都市の過密化と地方の過疎化が進むのです。
放っておいたら過密化と過疎化が進むのは自明の理であり、社会を設計し改善していくにはそれを是正せねばなりません。
お金は集まりすぎた分を再分配するシステムが先進国なら備わっています。効果的かどうかは別ですが。
しかし集まりすぎた人を再分配するシステムはどうでしょうか?
一部の国では遷都、首都移転によって解決を図っていますが、新首都を大きくなるまで育てるのは相当厳しいはずですし、それはそれで過密化の場所が増えるだけです。
お金にしろ人にしろ再分配は自由主義・資本主義の観点からは難しいものです。社会主義・共産主義による強権体制なら出来なくはないですが、長期的・全体的に見て失敗に終わることは20世紀の歴史が証明しました。
だからこその民主主義であって、社会システムの維持のために再分配という微調整を行う政権を選ぶしかないのですよね。選挙で再分配を選ばなかったら、不安定な社会を自ら選ぶことになって、誰も得しないはずです。
問題は、選挙の得票にも引力的な、勝ち馬に乗る投票もあることです。言い換えると、「自分の投票を死票にしたくない」というモチベーションですが、現行の日本の国会における小選挙区制はまさにその「2位以下が死票になる」システムであり、勝ち馬が勝ちやすい選挙です。この点から見て、金や人の再分配が有権者の選択によって難しくなり、富や所得の格差、都市過密化と地方過疎化が是正されないことの原因の一つと言えるでしょう。
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