20世紀後半、コンピュータ黎明期では大きな電算機システムが専用ルームに鎮座し、使いたい時だけクライアントコンソールから操作していました。それがパーソナルコンピュータの登場により、手元にあるマシンだけで演算して結果を出せるようになり、クライアント・サーバシステムのしがらみから離れることになりました。もちろん、大規模な組織が使う場合や、シン・クライアント、ファイルサーバ、ウェブサーバ、プリントサーバなどなど特定の用途ではクライアント・サーバは存在し、その方が効率や機能が優れていたため利用されていました。
20世紀末から21世紀にかけて、パーソナルなコンピュータ(スマホ含む)の性能の飛躍的な向上がありました。手元どころか手の中にあるマシンは半世紀前のスーパーコンピュータを上回る性能を持っています。こうなれば、処理の全てをローカルで処理出来るようになる・・・と思いきや、むしろパソコンだろうがスマホだろうが何でもかんでもウェブ経由でシステムやアプリケーションを使うのが当然になりました。ネットワーク(インターネット)がつながらないと何も出来ないのですが、これまた通信回線の飛躍的な性能向上によって、あらゆるデバイスがインターネットにつながって、大企業が抱えるクラウド上のサーバに接続しています。ネットワークゲームやオフィス製品、音楽配信、動画配信・・・そして生成AIがやってきました。
高性能・高速なAIは今でも、そして今後はますます欠かせないものになりますが、それらはどうしたってクラウドにあるサーバに頼らざるを得ません。もちろん、パソコンやスマホも変わらず高性能化が進んでいますから、今日使用されている高性能AIはいずれはローカルでも使えるのが普通になるでしょう。しかしそのときには、もっと優れたAIが、個人レベルでは使えないスペックを要求して、結局大企業の抱えるサーバにつなげないといけなくなります。
時代が巡り技術も巡り、結局、再びクライアント・サーバシステムで何でもかんでも処理するようになってしまいました。別にそれが悪いこととは言いませんが、パーソナルコンピュータがもたらした
「自分がコンピュータを操作する」
という感覚は、もはや遺物になりつつありますね。
「パーソナル」なコンピュータというのは、20世紀の一部分、1970年代〜2000年代あたりまでの、時代の徒花だったのか。それともまた、「パーソナル」の時代は来るのか。
素人には数十年後のコンピュータの予想なんて思いつきもしませんが、願わくば、自分が自分の決定を下せるような未来であれば良いのですが。
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