昨今のAIブーム・AIバブルにおけるニュースと熱狂を見るに、まるで19世紀のゴールドラッシュと似ている気がします。「これからはAIの時代だ」「AIを扱うと儲かるぞ」という強迫観念じみた猪突猛進っぷりは、かつての金鉱脈に群がる心理を思い起こさせます。
人工知能技術の可能性を信じて、投資や開発に積極的に取り組む人々が急増している現状は、まさに「AIバブル」と呼ぶにふさわしい状況です。
ゴールドラッシュ時代、一山当てようと西海岸にやってきた筋骨隆々の男たちは金の採掘に夢中になりました。当然ながら100人中100人が儲けられたわけもなかったのですが、100人中1人でも巨大な金を見つける瞬間を見た残りの99人は自分も同じことができると過信して、なけなしの蓄えと自らの身体をすり減らして、金を探し続けました。
よく言われるのが、ゴールドラッシュで儲かったのは、金を探した人ではなくて彼らにツルハシを売った人だ、という話です。
また、ゴールドラッシュはジーンズの生みの親でもあります。リーバイ・ストラウスが金鉱夫向けに作った頑丈なジーンズは1世紀半経ってもなお、世界中のファッションの中に生きています。
こういった、金採掘そのものよりもその周辺産業が儲かる仕組みというのは、AIバブルの中でも似ている気がします。
AIそのもの、あるいはAIを使ったサービスを作り出す企業よりも、そのAI関連企業や利用者が使うGPUを作っているNVIDIAは巨額の売上利益を上げています。ゲーム分野ではAMD(最後発のIntelもわずかながら)の追い上げもありますが、AI利用に関してはCUDAの仕組みを持つNVIDIAに一日の長があります。
また、メモリ不足・半導体不足が一般市民のPC購入にも影響が出始めましたが、AIに欠かせないGPU以外のコンピュータ部品の製造メーカーにも大きな売上をもたらしています。
これは、ゴールドラッシュに沸くアメリカ西海岸に東海岸や中央部から人を大量に送り込んだ鉄道の線路や橋に使う鉄を提供して大儲けした、鉄鋼王カーネギーを彷彿とさせます。
ゴールドラッシュやAIバブルに限ったことではなく、日本においても、タピオカとか生食パンとか唐揚げとか移動メロンパンとか白いタイヤキとか、儲ける人にモノやノウハウを売る人の方が儲けるというのは、よく見られたことです。
結局の所、なにかのブームで自分が儲けようとすることよりも、儲けようとしている人にモノを売る方が儲かる、というのは資本主義社会の真理なのでしょうね。
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