明暗が別れたサッカーW杯と野球のWBCにおける放映権問題

来年開催される2026北中米ワールドカップの放映権に関して先日リリースがありました。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC041DM0U5A201C2000000/

テレビ放送に関しては電通が取得し、地上波では約半数の試合が放送されます。日本戦は全て、それ以外にも決勝トーナメントを中心に放送されることが決まっています。

また、ネット配信ではDAZNが全104試合をライブ配信します。

https://www.dazn.com/ja-JP/news/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC/dazn-fifa-worldcup-release/19kx53i8mafy412ckm689bli5k

うち、日本戦は全試合無料配信ということで、自宅にテレビがない人でも安心です。

2022年のW杯ではなかなか放映権が確定せず、ABEMAが全64試合を無料で配信する快挙(ある意味暴挙)を行ってサッカー配信難民を救った形になりました。地上波放送も日本戦はちゃんと行われましたので、有料放送・有料配信のみという結果にはならずに済みました。

スポーツを見る権利、あるいはユニバーサルアクセス権は、昨今のスポーツ業界、メディア業界などで訴えられるようになりました。国民が国民的スポーツを無料あるいはできるだけ低い垣根で見られるべきだというものです。

サッカーワールドカップやオリンピックなどにおける、放映権料の高騰、特にここ20年ほどでの急激な高騰により、注目されている権利ですが、日本においてはワールドカップと同じく来年行われるWBC(ワールドベースボールクラシック)において、米Netflix社が日本国内での独占放映権を獲得したことで、日本の視聴者、特に高年齢層がNetflixでの野球を観戦するのが困難ではないか、という懸念が生まれています。

月1,000円程度なら払えばいいじゃないか、と考える人もたくさんいますが、そう考える人はコンテンツを有料で視聴することに慣れている人だと思います。野球ファン、特にライト層には、王長嶋から全国的に普及していった、「巨人戦」テレビ中継というコンテンツは無料が当然という考え方がまだまだ根強く存在します。

そういう人たちからすれば、Netflixに加入してスマホやタブレットでWBCを見るということはかなり厳しいでしょう。子や孫が苦心惨憺する未来が透けて見えます。私もその立場になりそうですけれど。

一部評論家などからは、MLBやNetflixに抗議するために大谷や山本らの大物選手を出場させなければいい、という過激な意見も出ています。それが実現するかどうかはともかく、一番の問題はWBCがMLBという一国の一組織が開催しているだけのものなのに、事実上の世界一を決める国際大会として野球ファンから捉えられていることです。

かつてのIBAF、今はソフトボールと統合してWBSCになりましたが、そこで行われる国際大会ではなく、MLBが完全に牛耳っているというか純粋に運営しているWBCに頼っている構造こそが問題なのですが、その問題の解決はおそらく無理でしょう。

野球界におけるMLBの発言力は極めて大きく、日本の選手が大活躍していることなど関係ありません。五輪にすらMLB選手が出ない以上、MLB主催のWBCでしか本当の世界一を決める大会はありえないのです。

あれこれ文句を言ったところで変わらない以上は、Netflixを経由してMLBに多額のお布施をするしかないのですが、個人的には、サブライセンスをどっかのテレビ局かコンソーシアムが赤字覚悟の高値で購入して、日本戦だけ地上波放送をなんとか実施するんじゃないかと思っています。ただ、野球ファンはそこまで楽観的にはなれないのかもしれませんね。

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