「全て」を視聴したければテレビを見ない?

音楽番組で歌手やバンドが持ち歌を披露するときに、曲の本来の長さではなく、短くして歌うことがあります。いわゆるテレビサイズというやつです。

また、映画がテレビで放送されるときにも、一部をカットしていることが結構あります。

これらは本来のサイズで流してしまうと、視聴者が録画・録音して所有することで元の曲・映画の販売に影響が出てしまうことを懸念してのことだと思います。また、編成上の時間の都合ということもあるでしょう。

これによって著作権者の権利も一応は保護されるわけですが、今の時代には不要な気がします。今のテレビ番組は録画に関して制限をかけています。音楽も映画(動画コンテンツ)もストリーミング配信が当たり前になっています。正規の料金を払って鑑賞する人はそれでいいですし、端から違法に視聴しようと思う人間はわざわざ録画・録音もしないでしょう。少し検索すればいくらでも違法に視聴することが出来るようになってしまっています。音楽に関して言うと、大半の曲は無料のSpotifyで、音質や広告を気にしなければ聞くことが出来るくらいです。

今のテレビが行うべきは、その音楽や映画などの芸術性を出来るだけ損なわずに視聴者に提供することで、正規ルートでの販売増を著作権者にもたらし、かつ、テレビ自体の魅力も復活させることではないかと思います。

逆に言うと、テレビサイズで提供することでかえって
「だからテレビは・・・」
と言われかねません。

かなり極端な例えですが、美術館で絵画の一部分を隠して展示するでしょうか? 巻物のように長すぎるのならともかく、常識的なサイズの絵画であればそのまま展示するはずです。

音楽や映像作品も芸術だと思えば、そのまま放送した方がいいに決まっています。著作権者の権利や放送局の都合ももちろんわかるのですが、果たしてそれがソフトの普及や最終的な売り上げの貢献になるのか微妙だと思います。かつてのappleがiTunesでDRMなしの音楽配信に乗り出し、一気にデジタル化が進みました。音楽業界はCD→ダウンロード→ストリーミングという変化がこの20年弱で起き、全世界的にストリーミング+ライブというビジネスモデルに移行しつつあります。テレビもこれまで通りの抜粋中心ではやっていけないのではないでしょうか。

思えば、インターネットの普及によってあらゆる情報の発信にマスメディアを頼らなくてもよくなりました。記者会見やインタビューでも、メディアの切り取り方によっては意図したものと異なる伝えられ方をしたことで揉めることも多くなりました。

私個人としては、サッカー日本代表の監督だったフィリップ・トルシエの記者会見に関する報道内容と、スポーツナビなどで読むことができた記者会見の全文との違いによって、マスメディアが伝える内容はマスメディアが伝えたい内容なのだ、ということに気がつきました。その傾向は20年経ってもあまり変わらないですね。相変わらずニュース番組でも発言を切り張りして印象操作やフェイクニュースが作られ続けています。

テレビサイズで伝えられる音楽や映画も、あくまでテレビ局の都合によって伝えたい形で改変されています。本当のサイズ、本当の作品をすぐに検索して視聴することができる時代に、これまで通りのやり方では既存のマスメディアは信頼を失い続けていくのではないかと思います。

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