コンビニおでんからみる民主主義と法律論

ファミリーマートがフードロスや従業員の負担軽減を目的として、一部店舗でのおでんの提供形態を変えるそうです。

食品ロス削減 おでんの販売方法見直し ファミリーマート
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200114/k10012244561000.html
いわゆる食品ロスを減らすため、コンビニ大手のファミリーマートが「おでん」の販売を見直しました。売れ筋の具材を、注文を受けてから電子レンジで温める方法を導入し、売れ残りや廃棄を減らす効果があるとしています。

コンビニおでんは従業員による準備や廃棄に手間がかかり、フードロスも大量に生まれているとの批判が最近は強くなっていました。

コンビニおでん中止・縮小のピンチ!~きめ細かなビジネススタイルも限界?
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1911/01/news097.html
大手コンビニの店舗を中心に、レジ横でのおでん販売を中止、縮小する動きが広がっている。調理時間が長いおでんは清掃や補充にも手間がかかることから、従業員の人手不足が加速するなか、店側が敬遠する傾向があると見られている。

セブンイレブンやローソンではこれまで通りですし、ファミリーマートでも好きな具材を選べる形ではないようですから、今後の展開がどうなるか分かりませんが、いわば時代の趨勢として、おでんをこれまでのようなレジ前で長時間煮込み続けなくなる、ということになります。

こういった流れが出てくるのはコンビニ本部側が、従業員の労働環境改善による人材確保費用の削減という目に見えた形のメリットだけではなく、社会問題解決や企業イメージ改善という目に見えないメリットを意識している、ということでもあります。

極端な言い方をすれば、営利企業、特に上場企業は利益を上げて株主に還元するために存在しているので、法律に反しない限りは本来、金にならないことはしなくていいはずです。営利企業が利益を削ってでも社会貢献するのは、そういう時代だからといってしまえばそれまでですが、法律だけが社会のルールになっているわけではない、ということでもあります。

法に触れなければ何をしてもいい、と思っている人や企業も確かに存在しますが、法律以外に倫理観や宗教観、社会通念、道徳、常識などを考慮して行動する人もたくさんいます。いわばそれらも法律同様、社会を成立させるためのルールとして認められています。

もちろん法律に反する形での法律以外のルールは認められませんので、法律が一番緩いルールとして存在して、それ以外のルールは法律以上に厳しいルールとして存在しています。

だからこそ、ファミリーマートはフードロス問題解決のための法的強制が存在しないのに、おでんの提供形態を変更する決断を行ったわけです。そして、法的強制力がないからこそ、セブンイレブンやローソンはそのままになっています。これにより、ファミリーマートに比べてセブンイレブンやローソンの評判が悪くなり、場合によっては売上・利益が落ち込めば同様の対応を取ることもあり得るでしょう。

この辺は法律論にもなるのですが、どんな社会でも法律以外に何らかのルールは存在するでしょう。それを守るかどうかは、社会の構成員やその社会そのものの在り方の違いによって様々です。

例えば、日本よりもフードロス問題に対して積極的に取り組んでいる西欧の国であれば、もっと企業が前向きに取り組んでいるでしょうし、法的整備も行われているでしょうし、逆に不公正な大企業が政府や独裁者とズブズブになっているような国家であれば、フードロス批判を大企業に対してさせないような政府による不当な弾圧が行われているかも知れません。

民主主義の進度、権力の分散がそれなりに進んでいる国でないと、こういった法律以外のルールを守る構成員はあまり出てこないでしょう。

今回のコンビニおでん問題は、日本社会がある程度は民主主義が進んでいる(コンビニ批判をさせないような働きかけをコンビニ本部が政府・マスコミにしない・できない)ことを表すものであり、その一方でまだまだフードロス問題は社会全体で最重要課題とまではなっていないことも表しているのだと思います。

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