平繁無忙の何でも書くブログ

  • 歴史を学んだ後に待っている、歴史を考える面白さ

    比較文化学・比較文化論というのは新しい学問です。比較文化学が生まれたのは20世紀ですので他の学問に比べると新しい、ということですが、何かと何かの違いは何だろう、というのは高尚な学問のレベルに限ったことではなく、日常の疑問として誰もが持つものでしょう。それは文系の学問だけではなく理屈としては理系の学問でも使える考え方でしょうし、生きる上でも必要な考え方でもあります。

    さて、日本では19世紀中頃から東洋と西洋という概念が生まれ、それぞれを比較して様々な分野において検討してきました。現代の歴史学や社会学などからみれば、「東洋」も「西洋」ももっと中身は複雑かつ多様であり、また、そもそも世界は「東洋」と「西洋」だけで分けられるものでもないので、あまり顧みられることもない考え方です。

    それでも、単なる二元論的な視野狭窄に陥らないのであれば、AとBを比較して似ている点と違う点を考えてみる、というのはたいてい興味深いものです。

    https://note.mu/notes/n2f74ac2167df/

    以前にこのnoteで、覚える前に体系的に学ぶ事が必要だと書きましたが、学んだ後のやることとしては考えることがあります。

    歴史の科目でいうと、日本史なり世界史なりを学び、一通り覚えた後、本当であればそこで歴史や社会や国家間の関係性などを考える時間があればいいと思います。

    最初の内は興味を引くために例えば人気のある中国の三国志の時代と、日本の戦国時代を比較してみるとか。
    ・後世の人から見て好き嫌いの激しい曹操と織田信長
    ・その二人の権力を受け継いで統一した司馬炎(正確には違いますが)と豊臣秀吉
    ・またその二人の傀儡にされた後漢献帝と足利義昭、後漢王朝と室町幕府
    といった比較はとっかかりやすいのではないでしょうか。

    あるいは、古代中国の春秋戦国時代とヨーロッパのウェストファリア体制も比較してみましょう。

    ・晋と楚の二大国と、カトリックとプロテスタント
    ・間の国がそれぞれとくっついたり離れたりしていたこと
    ・中国は最終的に秦そして漢が統一したが、ヨーロッパは分裂し続けてようやくEUが出来た

    知識的には深くなってしまいますが、新たに学びながら考えるのもいいでしょう。古代ローマ帝国と秦漢の帝国、そしてその後に出来たフランク王国と隋唐帝国の比較なんかも面白そうです。

    日本とイギリスはどちらも島国であり、近くにある大陸には強大な国家・強力な文化が存在して強い影響を受けてきた歴史があります。日本語は漢字に大きな影響を受けましたし、英語はラテン語・フランス語・ドイツ語起源の言葉だらけです。また、国家として成り立った後は大陸の強大国に支配されることがなく歴史が続いています(イギリスは王朝の交代がありましたが)。イギリスはフランス・スペイン・ドイツとは何度も戦ってきましたし、日本は白村江の戦い、刀伊の入寇、元寇、文禄慶長の役、そして明治以降の大陸進出がありました。そして今ではどちらも間にあるアメリカ合衆国の強力な同盟国になっています。こういった長期間を一気に考えてみるのも頭の体操になります。

    もっと人類学的な方に寄せて考えてみてもいいでしょう。

    ・ヨーロッパから南北アメリカ大陸への移住者が現地に伝染病をもたらしたことで先住民が多く死んだが、なぜ逆方向への致命的な伝染病はもたらされなかったか(梅毒なんかはありましたが)。

    ・アフリカの暑い地域から生まれた、今の人類につながるヒトはなぜ世界中に散らばったか。それこそ全く気候の異なる、動植物が少なく生活するのが困難な寒い地域にも移り住んだのはなぜか。暑い地域に住むことと寒い地域に住むことのメリット・デメリットは?

    歴史という概念から離れているかも知れませんが、こういったすぐに答えが出ない問題を考えるのは、答えを出そうとする過程で得る経験が重要になってきます。

    知らないことを調べ、仮説を組み立てて検証し、他人の批評を受けて考え直し、また他人の意見を批評することでさらに自分の考えも深まります。

    個人的には今の歴史の勉強は細かいことが多すぎて、大局的な歴史観を考えるところまで行かないと思っています。覚える内容を少し減らしてでも、考える時間を作って欲しいです。別にディベートのような形にする必要も無いでしょう。レポートを発表し合うだけでもいいはずです。自分とは違う考え方に接する、というのは歴史に限らずその後の人生において大きな影響を与えるはずですから。

  • フォルダ分けはアナログ的、タグ付けはデジタル的

    紙に文字を書いた文書は、必ずそれが唯一のものとなります。コピーをとっても原本は原本であり、コピーはコピーに過ぎません。古文書では写し(日本史だと案など)というものが存在しますが、簡単にコピーをとれない時代では同じように書くことで複製を残していました。手書きで複写するかインクトナーで簡単にコピーするか、どちらにせよ原本との相違は存在します。

    パソコンでのファイルをフォルダに分けて保存したり、あるいは古いメールソフトで行われるフォルダ分けなどでは、一つの文書を一つのフォルダのみに保存することになります。意図的に複製しない限り複数のフォルダに保存することは出来ません。これは紙媒体の文書を紙のフォルダにファイリングするときと同じです。

    しかし、Gmailのような、メール1通に複数のタグを付けて管理するメールソフト(メールシステム)であれば、メールを複製せずに複数のタグを付けることで、無数に分類することが出来ます。

    デジタルデータのいいところは、完全なコピーを取ることが出来ることでもありますが、その場合、単純にコピーの分だけ容量を食います。昔に比べればHDDにしろSSDにしろフラッシュメモリにしろとてつもなく容量は巨大化していますが、それでも少なく済ませるに越したことはありません。同じデータを複数コピーして必要なフォルダに保存するよりも、元のデータは一つのままで置いておいて、タグ付けのようにショートカットやエイリアスのような機能を使って分類して置く方がいいでしょう。フォルダごとに分けておくと、それぞれのフォルダで使用して変更させたときにファイルの同一性を確保するのも面倒になりますし。

    デジタルコピーよりもこういった使い方の方が、デジタルデータの醍醐味と言えるかも知れません。アナログデータである紙のファイルであれば、こっちのフォルダには原本があり、あっちのフォルダには複製物があって、原本が必要な場合は結局こっちのフォルダを開けないといけませんし、複製物の分だけ紙が必要になります。だからといって複製物のあるはずのフォルダに
    「〜〜のフォルダに原本あり」
    というメモ書き1枚だけ挟まっていたらなんかイタズラみたいですし、急いでいるときだとムカついてしょうがないでしょう。

    同じファイルは複数作らない、というのがデジタル的と書きましたが、バックアップはもちろん異なります。同一のファイルを作成出来るバックアップも充分デジタル的と言えるでしょう。

    デジタル化が成し遂げられるまで、人類社会における情報管理はどうやって保存するかが問題でした。紙は保存場所を取りませんが火や水で破損してしまいます。木簡・竹簡も同様に腐る可能性があります。粘土板は火には強いですが重く書きづらいという難点があります。現代の図書館ではマイクロフィルムで紙文書をさらに省スペース、かつ長期間保存することが可能になりましたが、アナログである以上限界があります。国会図書館では全ての出版物を保存していますが大規模な保管場所が必要であり、これも限界があります。いずれは電子出版物をデジタルデータで保存することが主体になる時代が来るでしょうけれど、そうなると今度はデジタル的な問題である、タグ付けの混乱という困難が出てくるのでしょうか?

  • もっと気楽に生きればいいじゃないか

    なんとかハラスメントといったものが本当に今は増えています。もちろん、中身自体は昔からあって、それをハラスメントとして捉え直し始めたのが今という場合もありますが、どちらにせよ今の時代はあまりに他人に対価を求めすぎているように思えます。

    自分が他人に何かをしたら、その他人は自分に対して多くの対価を返すべきだ、と考えている人が多いということです。

    例えばブラック企業の問題でいえば、従業員に対して支払われる給与や福利厚生をはるかに超える労働を求めているということになります(もちろん、暴言・暴力はそもそも問題外の犯罪行為にも該当します)。従業員が企業に提供する労働力と企業が従業員に渡す対価が釣り合っていないのです。その対価との差を「働きがい」や「やりがい」といった精神的な言葉で埋めている訳です。

    カスタマーハラスメントでいうと、支払う料金以上の商品・サービスを客が店に求める、ということです。対価以上のものを得られたら客として嬉しいのは当然ですが、それはあくまで店側の厚意でしかもたらされません。厚意ではなく義務にしたら店側は赤字になります。赤字にしないようにするには設備や人件費などを削ることになり、新たなブラック企業の誕生です。

    支払い以上の対価を要求するのはそもそも無理な話であり、商品やサービスの質と量はあくまで支払う料金に比例します。子どもでも分かる話だと思うのですが、牛丼屋やファーストフード店で店員に対して怒鳴っているようなお客をみると、案外難しい話なのかな、とも思ってしまいます。

    「情けは人のためならず」という言葉は誤解される使い方もありますが、本来は「人に良いことをすればいつか自分に良いことが返ってくる」という意味です。

    SNS上で赤の他人を責めることは容易ですが、人に向かって吐いた言葉はいつか自分に返ってくるでしょうし、それでさらにイラついてムカついて他人を攻撃するような、負の感情の再生産が行われ続けているとしたら残念な世の中です。

    他人を責める人は自分が正しいのだと思っているはずですが、自分の正しさを証明するのは本来難しいはずです。自分が責めているその他人自身が、自分は正しいと思っていたはずです。

    誰もが自分を客観的に見るのは難しいです。

    何でもかんでも他人に優しくしろ、とまでは言いませんが、自分が支払うものと他人に求めるものは釣り合いが取れているべきでしょう。

    責められる方、釣り合わない対価を求められる方のことを考えると、そんなに真剣に考えない方がいいのではないか、と思います。

    もちろんしがらみがあってそう気楽には行かないでしょうけれど、そもそも人間が生きていくということはもちろん大変なことです。どんな立場であろうと、楽に生きて楽に死ぬことが出来る人はほんのごくわずかでしょう。大変なのは当たり前として、だからといって生きること自体を深刻に捉えすぎるべきではないでしょう。

    とどのつまりは、もっと気楽に生きればいいじゃないか、ということです。それは対価を求めすぎる側にも言えることです。自分が提供するものと相手からの対価がたとえ逆に釣り合いが取れていなくても、そこで目くじらを立てずにおおらかにしていればカスタマーハラスメントなど起こりようがありません。期待するのは結構ですが、過大な要求が満たされないことへの不満を訴えるのはまた別の話です。

    厳しさも当然ながら必要ですが、厳しさと無理・無茶は違います。要求する側も状況が変われば要求される側になるのですから、結局のところは「情けは人のためならず」という言葉は至言なのだなあと思ってしまいますね。

  • ガンバの女子チームの可能性は?

    2023年のサッカー女子ワールドカップ招致に関して、日本サッカー協会が正式に立候補するそうです。

    FIFAに招致に関する最終書類を提出「女子サッカーを爆発的に発展させたい」~FIFA女子ワールドカップ2023日本招致
    https://japan2023bid.com/news/00023879.html

    試合を開催するスタジアムは、新しい国立競技場の他、

    札幌ドーム
    仙台スタジアム
    埼玉スタジアム2002
    豊田スタジアム
    京都府立京都スタジアム
    市立吹田サッカースタジアム
    御崎公園球技場

    を提案したそうです。国立競技場以外は球技専用スタジアム、いわゆる専スタであり、2002年の日韓ワールドカップと比べると隔世の感がありますね。本当に専スタが増えました。

    特に関西から3つも選ばれている(首都圏からは2つのみ)のも驚きです。セレッソのキンチョウスタジアムは23年には改修が間に合うはずですが、確実なスタジアムのみということや地域間のバランスもあるのかも知れません。

    亀岡駅前に出来る京都スタジアムは年明けに完成して2月にはこけら落とし(セレッソ戦らしいですね)が行われます。これで関西にあるJリーグ4クラブ全てが専スタを持つことになりました。前述の通り、セレッソのキンチョウスタジアムは改修中なのでそれまではトラックがあるヤンマースタジアムの利用となりますが、陸スタとしては見やすい方ですからまだマシですね。旧万博とか西京極とかと比べると。

    関西より西の西日本のスタジアムが選ばれませんでした。鳥取、北九州、福岡、鳥栖は専スタなんですが、収容人員やVIPルームなどの設備面での問題もあったのかも知れませんね。

    さて、関西が注目されそうな女子ワールドカップですが、なでしこリーグの方は関西ではINAC神戸が有名です。というか京阪神でなでしこリーグ1部にいるのはINACだけです。関西というくくりでも伊賀フットボールくノ一が加わるだけです。2部にはバニーズ京都SC、セレッソ大阪堺レディース、ASハリマアルビオンが在籍しています。その下のチャレンジリーグにスペランツァ大阪高槻、セレッソ大阪堺ガールズの2チームが関西ではプレーしています。

    セレッソの女子チーム二つの位置づけを知らないのですが、ガールズの方はその名の通り、下部組織のチームなんですね。同じチャレンジリーグには常盤木学園高校も入っていますが、高校生で全国リーグというのは大変ですよね。

    さて、セレッソの女子チームは頑張っていますが、ガンバの方は女子チーム自体所有の動きはありません。スペランツァ大阪高槻がかつてはパナソニック絡みでつながりがあったのですが、今は関係なさそうです。

    ガンバ大阪が女子チームを所有・運営する可能性はあるのでしょうか?

    いま、J3に参戦するU23チームを抱えていますが来年で一応終わることになっています。その後はどうなるか、具体的には決まっていません。Jリーグのエリートリーグに関してはガンバは現時点では否定的です。

    堂安律&食野亮太郎をタフにしたG大阪U-23と、育成リーグへの懸念。
    https://number.bunshun.jp/articles/-/841571

    この記事中に出てくる上野山さんがカマタマーレ讃岐のGMになるのでガンバの方針も変わる可能性はありますが、現状は不透明ですね。

    男子の若手育成の方が悩ましい状況になっていますが、今のU23チームがそのままエリートリーグに入ったとして、運営スタッフに余裕が出るのかどうか。

    余裕が出るなら、女子チームも検討する可能性はありますが、噂にも上がらない以上は当面無さそうですね。

    セレッソはヤンマー、キンチョウ、長居第二の3つが事実上使えますが、ガンバはパナスタ、万博の2つですからね。スタジアムの利用面でも難しいところがあるかも知れません。いっそのこと、昔の第一練習場のように客席を今の練習場に作ってしまうとか。

    女子チームは今は難しくてもいずれは持って欲しいものです。ガンバ大阪に関わる人、いわゆるステークホルダーを増やす一環としては良い案だと思うのですが。

  • スポーツとしてのサッカーの特性

    主に、「スポーツとしての」サッカーの特性と言われるとこんな感じでしょうか?

    ・ほとんどのプレーが足で行われる。

    ・手よりも不器用な足でボールをコントロールするため、扱いが難しくミスが多い。

    ・ミスが多いため攻守の切り替えが頻繁に起こる。

    ・その一方でミスが多いため得点がなかなか決まらない。

    ・ロースコアになりやすいため引き分けが多くなる。

    ・引き分けが存在するため、弱いチームは守るだけでも価値がある。

    ・選手獲得が市場原理に基づいているので強豪チームと弱小チームに分かれやすい。

    ・守られ続けた挙げ句に決勝点を取れたらカタルシスが大きくなる。

    ・ガチガチに戦術で固めるやり方で強豪チームを倒すことも出来る。

    ・その一方で戦術をぶち壊すスーパースターも出てくる。

    ・スター選手を集める強豪チームを倒す弱小チームも出てくる(以下繰り返し)。

    簡潔にまとめると、巨額のマネーが動くのでチームごとの強弱が付きやすい一方で、ロースコアが当然のスポーツのため番狂わせが起きやすい、ということになるでしょうか。

    他のスポーツとの比較を突き詰めたら切りがないですが、どんなスポーツにも魅力があります。

    その魅力を自ら分析して、競技ルールや運営ルールの改正を通じ、欠点を減らし長所を伸ばす事が出来れば、どんなスポーツでも競技人口や観戦人口を増やすことが出来るでしょう。

    これまでの100年強のサッカーの歴史においては、概ねそれが出来ていたと思います。そしてこれからの時代において、それが出来るかどうか。

    進化し続ける戦術、VARなどのテクノロジーの導入、トレーニング技術・理論による身体能力の向上、先進国から発展途上国まで世界中を巻き込むビッグマネーといったサッカー側の変化だけではなく、各国の人口構成の変化、エンターテインメントの多様化、貧富の格差の拡大、IT技術の進歩など世界全体の移り変わりがこれからのサッカーやスポーツ全体に対してどのような影響を与えるのか。

    中年を過ぎた私が生きている間にどれくらいの変容を見届けられるか分かりませんが、願わくばこれまでと変わらず、ドキドキワクワク楽しめて興奮するサッカーであり続けて欲しいと思います。

  • 椅子を購入

    私は休みの日にnoteをまとめて書いておくことが多いのですが、それぞれのnoteは1つの記事あたり30分や1時間かけて書くことが多いので、まとめ書きすると数時間は椅子に座って書いている状態となります。

    今までホームセンターで買った数千円の椅子を使っていましたが、加齢のせいか最近ではクッションを置いても1時間が限界で尻や腰や背中がキツくなります。その都度立ち上がって体を動かしたりしているので、体全体の血行としてはかえっていいこともあるのかも知れませんが、やはり長時間座ることが多いのであれば椅子にもこだわった方がいい、それならそれなりの値段の椅子を買おうと決断して、大阪南港ATCにある大塚家具のショールームに行ってきました。

    行き当たりばったりに行ったわけではなくて、事前にネットで利用者のレビューブログやYouTubeの動画も参考にしつつ、本命はハーマンミラーのセイルチェア、対抗としていくつか見てみたい、という状態で向かいました。

    ニュートラムのトレードセンター前駅で降りてATCへ。8階のショールームに入ると受付で案内しますと言われて、えっ、そこら辺にある勝手に座って帰ろうかと思ってたのに、という素振りを何とか出さずに平静を装いつつ、現れた営業の人に案内してもらうことに。

    7階にあるオフィスチェアの群れのなかでまずは高級椅子としてかろうじて認識していたアーロンチェアに座ってみます。

    おお、やっぱり今の椅子(ホームセンターで買った数千円の)とは違うなあ、というクソみたいな感動を覚えつつ、色々と操作方法も営業さんに教えてもらいつつ、本命のセイルチェアへ。

    スタイリッシュさで言えばセイルチェアですよねーとか内心で思いつつ、その実はアーロンチェアは値段的にキツすぎるとも思いつつ、セイルチェアでも営業の方に基本的な昨日は同じで、リクライニングの違いとかアームレストが左右には動かないこととかは別に構わないなあ、という感じでした。

    実際の値段も聞いた瞬間、定価よりも意外と結構下がるもんなんですねと内心で思いつつ、おいおいAmazonとかよりもだいぶ安いやないかい、と驚きながらも平静を装って他の椅子もチェックしてみました。

    エルゴヒューマンやオカムラも試してみましたけれど、同価格帯でデザイン含めて気に入ったのがやはりセイルチェアだったのでそのまま購入。

    ちなみに写真のようにノートパソコンやキーボードを持ってきてくれて、実際にどんな感じになるか、というのも試させてくれました。

    さて、セイルチェアを買うと決めた後に営業さんがアウトレット売り場の方も見て、お得なアーロンチェアがないか確認してくれましたが、あったら値段によっては迷っていたかも。

    さて、購入決定して大塚家具のポイントカードも作りながら、配送日を決めてカードで支払って帰りました。

    そして、仕事が休みの日に届くようにしていたので、配送の方から受け取って今、そのセイルチェアに座りながらこのnoteを書いています。当然ながら快適。快適じゃなかったらそもそもこんな文章書きませんが。

    セイル – オフィスチェア – ハーマンミラー
    https://www.hermanmiller.com/ja_jp/products/seating/office-chairs/sayl-chairs/

    椅子に座り続けるのは確実に体に良くないですが、なおさら座っているときに体に負担がかからないものにしたいと思って買いました。少し前、ニューズウィークのページでこんなのを見ましたが、誇張があるとしても結構衝撃的ですよね。

    冗談なの? 20年後のデスクワーカーの姿を予測した人形が過激すぎて話題に
    https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13283.php

    座る姿勢にも意識したいものです。

  • 過保護はダメだけれど危険の放置はもっとダメ

    以前にもnoteに、運動会での危険な組み体操を続けるのは間違っている、と言うことを書きました。

    https://hrsgmb.com/n/n9c250a21ce84

    ニュースではたびたび報じられるようになりおそらく減っているのだとは思いますが、今度はピラミッドではなく別の組み体操での事故が起きているそうです。

    組み体操「人間起こし」全国で事故多発 専門家「非常に危険」
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191120/k10012183961000.html

    別にピラミッドがピラミッドだからダメなのではなくて危険だからダメなはずですが、結局は運動会での危険性は無くなっていないようです。

    そもそも運動会はわざわざ危ない競技・体操などをしなくても勝手に怪我する生徒が出てきます。私自身、中学生の時に棒引きという競技で同級生が足の上に乗ってきて骨にヒビが入りました。当日はそれほど痛くなかったのですが、翌朝とんでもなく腫れていて病院に行ったら折れていることが分かり、完治するまで3ヶ月くらいかかりました。

    運動会に限らず、運動・スポーツなどをやっていれば必ず怪我はあります。それを以下に減らすかということが重要ですが、学校の現場でそれが本当に考慮されているのかどうかが、この組み体操の問題を見る限り怪しく思えてきます。

    危険なことをやるにしても、努力や根性だけで克服させるのではなく文明の利器も使うべきです。そもそも半袖短パンとペラッペラの帽子だけで運動会の一から十まで全ての競技を行うことは本当に正しいのでしょうか?

    何が何でも生徒達に組み体操させたいなら、膝当て・肘当て・ヘルメットとかも付ければ怪我は減るはずです。昔からそうだからこのままでいいというのは思考停止です。だったらチョンマゲ結って刀差して歩くのかお前、と言いたい。

    そもそも危険な組み体操をしなくても生徒達の団結力や達成感を示す方法はあるはずですが、それを目指さずに怪我が起きやすいものを選択するのはどうかと思います。本当に必要な伝統でしょうか?

  • 自己責任のタバコ摂取

    従来の紙巻きタバコは何がどう有害かということがほぼ分かっています。肺がんとの関連性については未だにあれこれ言われていますが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のような病気はタバコの喫煙が原因で起きることは確実視されています。

    もちろんニコチンそのものも自体にとっては強力な有害物質であることは間違いありませんが、「燃やす煙が出ない」「ニコチンを含まない」ような水蒸気タイプの電子タバコであれば紙巻きタバコよりも体には悪くない、と思われがちです。

    紙巻きタバコは昔からあることもあり、また被害があるという社会的なコンセンサスもあるので、広告、パッケージ表示、販売方法、利用可能年齢などで色々な法規制がかけられています。

    一方で電子タバコは登場がまだ新しく、健康被害に対する報告がまだ少ない事もあって規制がゆるくなっています。そんな中、電子タバコも野放しになっていることに警鐘を鳴らす研究を伝える記事がありました。

    電子たばこも無害ではない、心臓血管系に影響 米大研究
    https://www.afpbb.com/articles/-/3253775
    米オハイオ州立大学(Ohio State University)のローレン・ウォルド(Loren Wold)氏は論文の中で、「電子たばこには無害な水蒸気の他に、ニコチンや微粒子状物質、金属物質、香味料が含まれている」と指摘。「大気汚染に関する研究によって、(空気中の)微粒子は循環血液に入り込んで直接、心臓に影響を及ぼすことが証明されている。電子たばこに関するデータも同じ方向を示している」と述べている。

    水蒸気は煙よりはそりゃ害はないですが、電子タバコはただの水蒸気を吸うものではありません。様々な香り・味付けをしています。また、水蒸気を生成する機構そのものからも様々な物質が水蒸気に紛れ込んでいるのだと思いますが、怖いのはどんな有害物質が含まれているのか明示されていないことでしょう。メーカー側ですら把握していないのかも知れませんが、法的規制が無いのであれば野放しになるのも当然でしょう。

    いずれは被害が積み重なって何らかの規制がかかるのでしょうが、それまでは利用するべきではない、というか規制がかけられるようならそれはそれで利用するべきではないでしょう。

    これはあくまでアメリカでの話とは言え、日本でも電子タバコは売られています。コンビニでよく見かけるiQOSやgloなどは「加熱式」タバコであって、電子タバコではありません。加熱式タバコは紙巻きタバコと同じタバコ葉を使っています。燃やさずに加熱して上記に含まれるニコチンを摂取する仕組みです。結局ニコチンなので加熱式タバコも従来の紙巻きタバコ同様、ニコチンによる害はあります。

    電子タバコはニコチンを含まないから安全、という印象を受けてしまいますが、安全か危険かよく分かっていない、と言った方が正確でしょう。

    日本よりも電子タバコの普及が進んでいるアメリカなどの各種ニュース記事を読む限り、水蒸気だから安全とは必ずしも言い切れない、ということです。

    法律に違反していない限り、吸いたい人は電子タバコだろうが加熱式タバコだろうが紙巻きタバコだろうが勝手に吸えばいいと思いますが、あくまで何を吸うか、吸った事による健康被害については自己責任だ、ということを認識していればいいのですが。

    健康被害を受けた後に、危険性が指摘されていなかった、という非難をしても、例え賠償金をもらったとしても、失った健康は戻ってこないでしょうから。

  • サウジアラビアの不安定化は中東の不安定化を招く

    サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、ジャーナリストのカショギ氏殺害によりこの1年かなり欧米のリベラル系の政治家・メディア・団体から批判を浴びてきました。

    外国の大使館においてなされた凶行は、もちろん非難されてしかるべきものですが、その非難の落ち着く先がいまいち決まっていません。結局ムマンハド皇太子をどうしたいのか、ということです。

    一国の皇太子を外国がどうこうするのはそもそも無理な話です。圧力を強めれば同国での立場が悪くなり失脚なり何なりして、結局は罪を償うということになるのかも知れませんが、そもそもムハンマド皇太子はサウジアラビアの中では開明派と言われています。

    女性の自動車運転やサッカー観戦を認めたり、石油依存経済からの脱却を図るために改革を進めているのはこのムハンマド皇太子でした。もし彼がサウジ王族内での支持を失い、その地位を追われることがあれば、その後継を襲うのは反動的な保守勢力の可能性が高いでしょう。

    そうなると女性への抑圧や外国との関係、特に駐留させているアメリカ軍に対してどう出るか分かりません。もし米軍撤退を求めた場合、そしてそれにアメリカが応じた場合は中東の軍事的重しが外れて混乱が一層増すことになります。

    サウジアラビア、そしてアメリカ合衆国の中東における存在感が減れば、その分伸長してくるのはイランです。すでに今の中東はサウジとイランの抗争の真っ只中にあります。その一方が力を減ずればもう一方の覇権が確立されます。アメリカはイランの核開発を合意以外の形で押さえ込もうとしていますが、サウジにおける影響力を失えばイランへの圧力も大きく減ってしまいます。

    少し前にサウジアラビアの油田設備が攻撃され、アメリカ軍の報復を招かないギリギリのラインでのイランによる攻撃と言われています。イランがアメリカとサウジの仲を裂くための一歩であるのは間違いないでしょう。このサウジアラムコへの攻撃に対して、サウジにしてみれば過剰に反応してイランへの対抗手段を取ろうとすればアメリカが抑えるでしょうし、抑えるアメリカに対してサウジが反発するのも目に見えています。イランにしてみたら、サウジ・アメリカ間の仲が悪くなれば、イラクやイエメンにおけるイランの影響力を増すことも出来ます。

    焦点:イランはなぜアラムコを狙ったのか、サウジ攻撃の内幕
    https://jp.reuters.com/article/saudi-aramco-attacks-iran-idJPKBN1Y20BG

    このことは日本にとっても全くの無関係ではありません。中東の石油が重要ということだけではなく、米軍が駐留している同盟国の設備が攻撃されたとしてもすぐに米軍が動いてくれるわけではない、という重大な前例にもなります。

    もし、正体不明の無人攻撃機が日本国内の原発を攻撃した時に、在日米軍が前面戦争回避のために全く動かなかったとしたら、自衛隊のみで報復攻撃するわけにもいかないでしょう。もちろん、日米安全保障条約によって同盟国が攻撃を受けたら報復攻撃が自動的に発動するはずですが、攻撃する相手がはっきり特定されなければどうしようもありません。

    2003年のイラク戦争ではブッシュ大統領がブレア首相・小泉首相の支持も受けて、証拠が結果的には存在しなかった大量破壊兵器の存在を理由にイラクを攻撃しました。アメリカとしては二の舞は避けるでしょうし、そもそも日本にドローンで攻撃してくる可能性があるのはロシア・中国くらいでありイラクとは比べものにならないレベルの国力・軍事力を持っています。北朝鮮にしても中国との同盟があります。周辺諸国から孤立していたイラクを攻撃するのとはわけが違います。

    結局のところ、アメリカはサウジアラビア国内の権力争いは出来れば起きて欲しくないでしょうし、トランプ大統領がムハンマド皇太子をおおっぴらに非難しないのは当然のことでしょう。大統領が別人でも同じでしょう。サウジ情勢が不安定化すると中東全体が不安定化するのは目に見えています。だからこそムハンマド皇太子がまだ無茶をする可能性があり、結果的にイランが得をすることにならないようなレベルで抑えなければ、欧米や日本にとっても良い結果にはなりません。

  • ショートショート「ダブル・ダブル」

    「ただいま……、あれ、兄貴いるの?」
    「なんだ、俺がいちゃ悪いのか」
    「いや、そうじゃなくて、ついさっき、そこの駅で兄貴らしい人とすれ違ったからさ。声かけたんだけど無視されたから、兄貴じゃないのかなとも思ったんだけど。兄貴は今日ずっと家にいるって言ってたよな」
    「ああ、半日ずっといたぞ。気のせいか、他人の空似だろうよ。それか大きな鏡に映った自分を見たんじゃないのか? 俺らはそっくりの双子なんだから」
    「まさか。いくら双子でもお互いは見分けが付くだろ」
    「それよりも、お前こそどうなんだ。一時間ほど前にアパートの前を通らなかったか?」
    「え? なんで? 俺その頃、映画館の中だぜ。ここら辺にいるわけないじゃん」
    「いや、な。ふと窓から外を見たら、道を歩いていた男がお前そっくりでなあ。映画を見た帰りにしては早いし、どうしたんだと思って見てたら、そのまま通り過ぎたんだ」
    「それこそ他人の空似だぜ。ん? どうしたんだ、兄貴。深刻な顔して」
    「ああ、ひょっとして俺らが見たのはドッペルゲンガーじゃないか?」
    「ええっ! ドッペルゲンガーってあれだろ。本人が死ぬ間際に全然別のところに姿を現すっていう……」
    「そうだ。芥川龍之介なんかの有名人のドッペルゲンガーの目撃例もあるらしいぞ」
    「じゃあ、兄貴がもうすぐ死ぬって言うことか?」
    「なんで俺が死ぬんだよ。俺はお前のドッペルゲンガーを見たんだぜ」
    「それなら俺だって同じ事だよ。俺が見たのは兄貴の奴なんだから」
    「う……、それはあれだ。お前は自分のドッペルゲンガーを見たんだ」
    「なんだよ、それ。だったら兄貴だって可能性は同じじゃんか」
    「うーむ、これじゃあ、らちがあかないな。よし、駅まで行ってそいつを探そう!」
    「そいつって、まさかドッペルゲンガーを探すってのか?」
    「ああ、実際会って本人にただせばすむ話だろ? 『お前は俺たち兄弟のどっちのドッペルゲンガーなんだ』ってな」
    「とんでもないこと考えるなあ。分かったよ、二人で探すか」
    「そうと決まれば早速行くぞ。そいつがどっかいっちまわないうちにな」

    「そいつが駅から俺らのアパートの方に向かって来ていれば楽なんだがなあ」
    「そんな虫のいい話が……、おや? 兄貴っ! あれだよ、俺が見たドッペルゲンガー! ほら、あの向こうの歩道を歩いている奴だ!」
    「おお、あれか、いやあれは俺が見たドッペルゲンガーだぞ。もっと近づけば……、んん? おい、あっちの方にも似た奴がいるぞ! どういうことだ?」
    「さあ、俺にはさっぱり……。やはりドッペルゲンガーも二人いるっていうことか? ということはつまり……」

    キキィーーッ! ドンドン!

    「ああっ! ちくしょう、ひ、ひとをはねちまったよ……。しかも二人も。くそう、二十年間無事故無違反でトラック野郎をやってきたってのによ……。なんだってキョロキョロしながら道の真ん中に飛び出しやがんだ。は、早く救急車を……。しかし、トラックよりも怖いものを見たような顔をしてやがったな、あの二人……」

  • ショートショート「遺物混入」

    「いらっしゃいませ。今日はいかなるご用向きでございましょう」

     馴染みの骨董屋を訪れると、店主がいつもの通り恭しく私を出迎えた。この地方の名士であり、この店の上得意である私の歓心を買うために、この店主はいろいろとサービスをしてくれる。

    「ああ、今日は急な注文なのだが、七世紀に作られた鏡を見つけてくれ」
    「七世紀の鏡でございますか」
    「そうだ、どうかな。いつも通り代金は言い値で払う」
    「さようでございますな……」

     初老の骨董屋は、あごひげを手でさすりながら何かを思い出す素振りを見せた。仕入れ先を考えているのだろう。

    「心当たりはございます。いつまでに用意すれば……」
    「三日後までだ。かなり急だが、出来るか」
    「何とか出来ると思います。手に入れたら電話を差し上げますので」
    「うむ、よろしく頼む」

     私は店を出て、近頃の懸案の種である、先祖代々伝えられた古墳跡に向かった。先日から発掘調査が始まり、四日後にはいよいよ石棺を開ける予定だという。今は石室の調査段階だが、すでに世紀の大発見は目前かの様な見込みらしい。それは困るのだ。かつて石棺をずらしてその下に、私が脱税して蓄えた宝石や金塊を埋めたままなのである。今、取り戻すと石棺を動かした跡が必ず見つかる。さっさと取り戻しておけば良かったのだが、思ったより早く調査がなされたので無理だった。こういう事態になった以上、苦肉の策として、七世紀の遺物を六世紀の石棺にこっそり混入する事にした。これで、この遺跡の信憑性が大いに下がり、そこで私が強く主張すれば発掘は中止になるだろう。先程の骨董屋への注文はそのためだ。

     三日後、骨とう屋から連絡があった。見つけたそうだ。私は金額を聞いて、大金を持って向かった。

    「いかがでしょう。この通り用意できました」

     言った通りに調達してきた。私がひいきにしているだけあって、さすがに優秀だ。

    「おお、すごいな。うん、いい感じだ。よし、金だ。端数は切り上げて取っとけ。急がせた礼だ」
    「毎度ありがとうございます。こちらの小さな鏡は、オマケとしてお付けいたします」
    「うむ、何だか汚いが古そうだな。もらっておこう」

     私は暗くなってから石室に忍び込んで、用意した鏡を石棺に入れた。ついでにもらった小さい方も入れておいた。やれやれ、これで明日には一連の発掘騒ぎも収まるだろうと思って、祝杯を挙げて寝た。

     翌日、私は報道陣の来訪で起こされた。二日酔い気味の頭に記者の話を聞いて、いっぺんに目が覚めた。何と、調査中の石棺から、七世紀の鏡と共に、五世紀の小鏡が見つかって、調査チームは大騒ぎしているそうだ。私は驚いて声も出なかった。

     ちくしょう、あの骨董屋め。サービスしすぎだ。

  • ショートショート「街頭インタビュー」

     私は、とあるテレビ局で夜の情報番組の女性レポーターを務めている。街に出て色々なサラリーマンにインタビューする役だ。もうすぐ私のコーナーが始まる。5、4、3、2、1、キュー!

    「テレビの前の皆さん、こんばんは。さあ、今日も『これが言いたい! サラリーマン』の時間がやって参りました。今、私は○X駅前にやってきております。今夜のテーマは『管理職はかくあるべきだ』です。あっ、ちょうどスーツ姿のナイスミドルな方が、うふっ、こちらに向かってきているので、あの方にインタビューしようと思います」

     私はカメラの位置を確認しながら、私の方に向かって歩いている中年の男の人に寄っていく。うん、のどの調子もいい感じだ。

    「すいません、『情報21』という番組の『これが言いたい! サラリーマン』というコーナーなんですが、ちょっとお時間頂けますでしょうか?」
    「ああ、いいですよ。よく観てますよ」
    「ありがとうございます。では早速インタビューの方へ行きたいと思います。今夜は、『管理職はかくあるべきだ』ということなんですが、少しご意見を伺いたいのですが?」

     私はマイクを男性に向ける。年の頃は四十五、六って所かな。

    「うーん、そうですねえ。やっぱり、管理職は人の上に立つのだから、しっかり威厳を持っていないといけないですよねえ。部下から恐れられるくらいの存在でなくては。軽口を叩いたりせず、締めるべき時にはきちんと組織を引き締め……」
    「あれー! 専務、こんなところで何してるんですかー?」

     突然若い男が割り込んできた。なにすんのよ。でもどうやらこの二人は同じ会社のようだ。しかも「専務」って……? なんだこのおじさんも管理職なんだ。

    「いやー専務、しっかり仕事してくださいよ。あっはっは」

     なんだこの若い奴。専務に向かってとんでもない口を聞くなあ。あっ、頭をペシペシ叩いたりして。なんて失礼な若造だ。しかしこの専務も威厳が全然無いじゃない。さっき言ってたことはなんなのよ。

    「じゃあ、また明日会社でね、専務」

     やっとどっか行ってくれた。生放送にはハプニングが付き物だけど、この場をフォローしなくちゃ。

    「えーと、あのー、さっきの方は一体……」
    「ああ、彼、我が社の創業者で社長なんです」