平繁無忙の何でも書くブログ

  • 寺子屋から大人数教育を経て、また少人数教育へ

    近代教育制度は当たり前ですが近代国家になってから導入されました。近代国家が必要とする国民を育てるために作られたものですが、それまでの教育とは異なり、一対多の集団教育であり、学校を作ってそこに学生を集め、政府が認める資格を持つ教師が教える仕組みです。

    これにより、多くの国民を効率よく教育出来るようになり、近代国家としての富国強兵・殖産興業が実現することになります。

    それ以前の教育と言えば、ヨーロッパでも教会やギルドなどによる学校がありましたが、国民を育てるものではなくあくまで自分たちの後継者を直接的に育てるものでした。

    日本で言えば寺子屋や藩校がありましたが、集団的に一律の内容を教えていくのではなく、個々人に合わせた教え方をしていました。いわゆる「手習い」というものですが、一人の先生が年齢も能力も異なる子どもをまとめて教えるので、多少は一緒の内容を教えるにしても、一人ずつ分かるまで教えるものでした。また、先に習っている先輩のお兄さんお姉さんが小さい子の面倒を見るのも普通でした。

    さらに日本でも欧州でも、お金(と、それなりの地位)があれば家庭教師が教えるのも当然でした。それにより、生徒は余程出来が悪くない限りは見捨てられません。金の力はかくも偉大ですが、集団で一緒に学んで試験を受けて勝ち上がっていく、という構図は人類の教育の歴史から見ればほんのごくわずかな期間、ここ百数十年のみに過ぎません。

    昭和の途中までは人口が大きく増加していたので、ベビーブーム、第二次ベビーブームの世代が学校に上がると、教室も席も不足してすし詰めで勉強することになりましたが、今では1クラスの人数も減りました。今後も減っていくでしょう。

    公教育だけではなく、私教育である塾・予備校も少人数制が当たり前になりました。子どもの数が減ったのですから、集団で一律の教え方をして落ちこぼれを見捨てるやり方は、むしろ効率的ではなくなりました。

    子どもが大量にいた時代は、厳しい競争にさらして落ちこぼれを見捨てても、社会全体だけを見れば効率は良かったのです。見捨てられた人はたまったものではありませんでしたが。

    しかし、少子高齢化・人口減少社会においては、見捨てるほどの余裕は全くありません。デジタル教育も現場の教員にとっては大変な取り組みだとは思いますが、落ちこぼれを作らない教育は今後の日本社会においては必須であり、本人のみならず社会そのものを救う方策です。

    そう考えると、近代国家が必要とした集団一斉教育は、長い歴史から見れば時代の徒花になるでしょうか?

  • トラックボールに挑戦してみる

    AmazonでロジクールのトラックボールマウスM575が少し安くなっていたので、思わず買ってしまいました。

    それまでにも、トラックボールは使ってみたいな、とは思いつつ購入出来なかったのですが、その理由は値段というか、もし使いこなせなかった場合、完全に無用の長物と化してしまうからです。マウスならいざという時の予備として保管しておくなり、別の場所で利用するなり、あるいは人にあげることも出来ますが、トラックボールですとそうそう人にあげる分けにもいきません。

    個人的にはPC98シリーズを使っていた頃から数えて30年来、マウスと共に歩んできたパソコン遍歴において初のトラックボールです。とはいえ、MacではMagicTrackpadも併用していますので、何とかなるのではと根拠無しに思っていました。

    2年前の製品なので今さらレビューを書く必要もないとは思いますが、現物の写真はこんな感じです。

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    裏面の電源スイッチ横にある小さな丸いボタンを押すことによって、USBレシーバー接続とBluetooth接続を切り替えられます。USBポートに余裕があるならレシーバー接続の方が良いですね。

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    ロジクールのサイトから設定ソフトをダウンロードして、いざ使用開始。

    まだ数時間ですがやはり慣れないですね。30年もポインタをマウス操作していた人間がそう簡単にはいかないのは当然でしょう。

    難しいのは、これまで腕でカーソルを操作していたのに、親指で操作するところです。それがトラックボールというものなのですが、ドラッグするときなど、人差し指で左クリックしながら親指でカーソルを動かす、という複数の指を同時に使うのが厳しいです。

    「トラックボール 慣れ」で検索してみて、先人の知恵を頼ろうと思いましたが、たいていはカーソルの移動スピードを遅くする、というものでした。

    2日使えば慣れる、という記載もありましたので、頑張ってみます。ムキーッ!となって押し入れにしまい込む可能性も無くはないのですが。

  • 2022年5月8日第12節ガンバ大阪対ヴィッセル神戸現地観戦の感想

    前節は一森の活躍により連敗ストップ、引き分けにて勝ち点1を得ましたが、無得点は継続しています。それでも攻撃の形は徐々に出来ているように見えました。

    それもあってか、中三日ながら先発メンバーで代わったのは、レアンドロ・藤春・三浦が、パトリック・柳澤・昌子になりました。前線ではワントップのみ変更ですので、攻撃のやり方はこのまま継続で良いということでしょう。

    対する神戸は開幕から大ブレーキがかかりリーグ戦最下位。ACLでは復活の兆しが見えましたが、JリーグはまたACLとも異なります。去年のガンバのことを思うと他人事には思えませんが、ロティーナ監督がどれだけ立て直せるか、という見方となります。

    今日の大阪は曇りという天気予報でしたがむしろ快晴に近く、わずかに薄く雲が広がっている程度で、暑いことには変わりません。今日は吹田市で子どもが招待されているそうで、結構な客入りとなりました。

    ガンバは開始直後からボールを持って攻勢に出ます。大迫のポストプレーには苦しめられますが、内容としてはガンバペースで進みます。中村の強烈なシュートは惜しくもバーに弾かれました。

    だんだん良い感じで攻めている中、好事魔多しというべきか、福田が大迫のタックルで倒れた際に痛めてしまい、山見と無念の交代となりました。遠目に見ても泣いていることが分かりました。

    攻守に豊富な運動量でカバーしていた福田が欠けてどうなるか、と思いましたが、裏に抜け出したパトリックが菊池に倒され、VARそしてオンフィールドレビューの結果、菊池が退場となりました。これで11人対10人です。

    数的有利になったガンバがそれまでにもまして攻勢を強め、CKから奥野が合わせるも味方のファウルでノーゴール。柳澤のシュートはポストに阻まれ、クォンギョンウォンのロングシュートもポストに当たり、結果として前半はスコアレスで終わりました。

    個人的には札幌戦同様、奥野が中盤で浮いているというか、あまりハマっていない感じでした。ハーフタイムで代わるかなと思いましたが、後半開始時には両チームとも交代無し。

    後半始まると、奥野のポジションか役割を整理したのか、ボールを良いポジションで受ける場面が増えました。それでもゴールは奪えず、遂に途中から大迫に代わってイニエスタが出てきます。

    そこからのイニエスタは40分近くピッチに君臨していました。まさにキープ力は圧巻でした。神戸は彼がフルタイムで出られないことがネックになっているというか、イニエスタがいるといないでまるきり変わるサッカーというのは、周りの選手もやりづらいのではないでしょうか?

    ともかく、イニエスタによって数的優位がほぼ消えてしまい、危険な場面を何度も作られました。小野瀬に代えてレアンドロペレイラを投入するも、パトリックと二人並んで待ってしまうシーンも多く、昌子が声を荒げて前線に指示を出すこともありました。

    フラストレーションがあるのか、レアンドロペレイラがルーズボールに足裏を見せて突っ込み、槇野へのファウルを取られてイエローカード。見ようによってはレッドカードでもおかしくないプレーでしたが、VARの結果、警告止まりでした。

    その後、奥野・中村・黒川を下げて齊藤・シウバ・藤春を入れて、さらに得点を狙います。

    そして遂に81分、コーナーキックの流れからシュートのこぼれ球をクォンギョンウォンが頭で合わせて遂に先制!

    この場面のコーナーキックは最後にガンバの選手に当たっているからゴールキックではないか、という抗議を神戸の選手もロティーナ監督もずっと続けていて、ゴールの後はさらに不満が爆発していました。

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    こちらの試合は試合終了直後の写真ですが、ここでもずっと審判団に抗議していました。

    私はバックスタンドの少しゴール裏よりで見ていて、レアンドロペレイラに当たってラインを割ったように見えたため、もし逆の立場だったら同じくらい憤懣やるかたない気持ちになっていたとは思います。

    ともあれ、これで1−0となりました。帰宅後にDAZNで観ましたが、実況によると現地観戦した清水戦の小野瀬のゴール以来の得点ということも衝撃でした。

    そしてアディショナルタイムには替わって入ったウェリントンシウバがカットインしてのシュートが相手DFに当たってゴール! 久し振りの追加点です。追加点です。何と言う甘美な響きでしょう。

    そして2−0で試合終了。ようやくガンバが勝てましたし、私が現地観戦した試合でガンバが勝ったのも本当に久し振りです。

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    コロナ禍の2年も越して、前に勝ち試合を見たのは2019年11月30日第33節の松本山雅FC戦でした。自分が書いたnoteを遡って確認しないと分からないくらい、記憶がありませんでした。

    https://hrsgmb.com/n/n39562581dc8a

    ちなみにその翌日、U23のアスルクラロ沼津戦も観ていました。

    https://hrsgmb.com/n/n7d49e908c836

    その時に出ていた谷晃生は湘南で羽ばたき五輪代表、そしてA代表の常連にまでなりました。中村仁郎は今のトップチームのトップ下で躍動しています。2年半も経てば、チームも選手も大きく変わります。

    これで12試合消化して順位は12位、勝ち点14となりました。試合数を勝ち点が上回り、ここからどこまで上げていけるかです。次は土曜日にアウェイ柏戦。今日も有利な状況でも得点出来ない時間が長く続いたことを考えると、今日のシュート精度では非常に厳しいでしょう。

    それでも、攻撃の内容はこの2試合良くなりました。数試合前まで押し通していた、パトリックの競り合い任せの攻撃よりはよっぽど充実しています。後は最後のクオリティでしょう。

    試合終了後の選手一周時に、福田が左腕を吊っていることに気が付きました。怪我の程度やリカバリー具合によるでしょうけれど、今日のスタメンから次の試合では一人二人代えたとしてもやり方はこのままで良いはずです。

  • コンテンツ作成・提供の合体と、配信サービスの今後

    楽天は色々事業を広げていますが、プロ野球の楽天ゴールデンイーグルス、Jリーグのヴィッセル神戸も結構な年数が経ちました。

    パリーグ公式戦はもちろんのこと、2月にはヴィッセル神戸のACLプレーオフをDAZNではなく楽天TVで配信しているのは、コンテンツ作成の立場とコンテンツ提供の立場を兼ねることで、相乗効果を狙っているのでしょう。

    これは楽天に始まったことでもなくて、プロ野球の読売巨人軍と、読売新聞社及び日本テレビとの関係と似ています。

    そもそもテレビ局だって似たようなものでした。テレビ局がテレビ番組を作成して、当然ながら自社で放送しています。ジブリ映画には日本テレビが出資して、ジブリ映画を流す地上波は日テレ系列のみという独占して視聴率を稼げるコンテンツに作り上げました。

    そしてストリーミング時代が到来した今では、Netflix、Amazon、Apple、Huluなどが自社で作成したコンテンツを独占配信しているのも同じ理屈です。

    冒頭に挙げた楽天あるいは、ホークスを抱えるSoftBankがスポーツナビやアプリを通じて試合を配信しているという状況は、コンテンツの作成と提供が重なりつつある流れがスポーツコンテンツにまで到来したことの証しです。

    さて、今後はどうなっていくかを予想してみると、現状はコンテンツを鑑賞するプラットフォームが乱立して、それぞれを楽しむためにはそれぞれに課金することになり、消費者にとってはあまり望ましくない状況と言えます。

    こういう細分化されている状態というのは、新産業が勃興するときには珍しくないもので、例えば近代で言えば鉄道とか新聞とか、最近ならインターネットプロバイダ、検索サービスなどは産業として社会に普及し始めたときには多くの参入業者で溢れかえり、大量の選択肢が消費者には存在しました。

    新聞は淘汰や合併によって日本で言えば全国は5大紙(朝日・読売・毎日・産経・日経)プラス地方紙に、鉄道については各地で鉄道が敷かれたあとに国有化や私鉄同士の合併を経て戦後の国鉄&私鉄の状態で安定化しました。

    インターネットプロバイダも90年代後半には大量に存在していましたが、今では固定回線を選ぶ場合も10個も選択肢は無いでしょう。

    検索サービスも今ではGoogle一強ですが、かつてはinfoseekやアルタビスタ、gooとかたくさんありました。

    これらの栄枯盛衰を見れば分かる通り、普及時に多くの業者が参入していても、安定期に入ると合併・吸収や破綻を経て寡占化されていきます。

    ネット配信産業についても、これから大型合併があるかも知れません。スポーツ配信の分野に進出するために、NetflixやAmazonがDAZNのようなスポーツ専門サービスを買収するかも知れません。

    あるいは、DAZNが他のスポーツ配信サービスや、あるいはドラマ・映画配信サービスや、音楽配信サービスを買収して総合型配信サービスに生まれ変わるかも知れないのです。

    まだまだストリーミング時代は勃興期であり、安定期に入るまではまさかという買収合併のビッグサプライズはあるんじゃないでしょうか。

  • 非日常が2年も続けば日常になる

    新型コロナウイルス対策としてのマスク着用は、日本では諸外国と違って法的義務とはされていませんが、むしろ逆に高い割合でマスク着用をしてきました。

    着用率が日本で高いことは、周囲への気遣いや同調圧力や、様々な理由があってのことではありますが、そもそもマスクすることに対してそれほど精神的なハードルが高くない人が多いことも理由としてはあります。

    現代日本ではコロナ禍以前にも、花粉症・インフルエンザや風邪などの対策のために、冬から春にかけてマスクする習慣を持つ人が多数いました。常に着けてはいなくても、生まれてから一度もマスクを着けたことがない、という人はほぼいないでしょう。

    さらに、電車での通勤通学、特に満員電車でのお互いの不快感を減らすためのマスク着用という意識がある人もいるはずで、その点も日本的な理由となります。

    中国を除いてゼロコロナからウィズコロナに移行しつつある世界ですが、丸2年もマスク着用の生活を続けてくると、それが日常になってきます。

    私個人の話で言うと、先日理髪店に行ったときに、席に案内されて座ってそのまま待ってしまい、理容師の方にマスクを外してくださいと言われて、我ながら愕然としました。

    無意識で、マスクを着けていることが非日常的な行為ではなく、着けていて当然という体になってしまっているのです。

    自分一人、あるいは家族と自宅で過ごす分にはマスクなど着ける必要は当然ありませんが、狭い場所で他人との時間を過ごすのであれば、まだまだマスクを着けていることになります。

    外で歩く分には不要かも知れませんが、人混みに紛れたり、店や駅の中、あるいは電車に乗ったりする度にマスクを着けて、また外して、という手間暇を考えると、面倒だからずっと着けていよう、ということでずっと着けています。

    マスクをしている方がかえって気楽になるときだって存在します。成人男性のうちヒゲの濃い人は毎日剃らないといけませんが、さほど濃くない人はマスクしているので剃らずにズボラを決め込む人もいるでしょう。髭剃りのみならず、化粧もどうようでしょうね。

    ウェーイと楽しむ飲み会などもこの2年は満足に出来ないですが、それが好きな人もいれば苦手な人もいます。苦手な人にしてみればその点は困らない2年間を過ごしたことになりますし、さほど外に遊びに行かない人、自宅に引きこもっての趣味の時間を過ごせる人にとっても、逆に充実した2年間になっていたかも知れません。

    どんな生活であろうと、それが2年も続けば非日常とは言いがたくなってきます。大人というか中年のオッサンからしたらそのうち何とかなるだろう、と植木等ばりに思っていても、若い人・子ども達のことを考えると可哀想には思えます。

    2020年4月に高校や中学校に入学した生徒は、あと1年こんな生活が続けば、みんなマスクを着けて、換気を気にして、しばしば休校やオンライン授業になり、まともに学校行事を行えない3年間となってしまいます。

    それ以外の学年であっても似たようなものですし、多感な時代をコロナ禍と、そして戦争のニュースなどで過ごしていることには同情します。

    三つ子の魂百まで、とは言いますが、若いうちにマスク着用が当然の生活を2年、3年も続けることが、その後にどのような影響を与えるのか、ということは壮大な社会実験とも見なせます。現実なので実験というと語弊がありますが。

    どこの国でもそうなのですから、ことさら特別致命的な失政を日本政府が行ったとも思ってはいませんが、出口戦略についてはもしかすると結構、国ごとの差異が出てくるかも知れません。日本が他国に先んじて、コロナ禍絡みの規制緩和や制限解除に踏み切るイメージは湧きませんが、他国がやったら続いていくのであれば、そんなに大きな出遅れにならないのではないでしょうか。

    むしろ、未だにゼロコロナ政策に固執する中国の方がヤバそうに見えますけれど、他国の心配をするほどの余裕は無いですね。

  • イビチャオシムの死去に想う

    20年来のJリーグファンは、先日のイビチャオシム氏の死去のニュースに色々な思いが去来したことでしょう。故人の残した言葉は、日本サッカーへの提言のみならず、人生や世界へのアフォリズムと愛情に満ちたものでした。

    当時のガンバ大阪サポーターとしては、オシム(父の方)には勝てなかったなあという記憶が残っていいます。確か2003年の対戦では、それまでガンバはずっと3バックだったのに突然4バックで挑んで前半のうちに2点取られて、後半から3バックにして同点に追いついて引き分けて、「西野なにしたかってん」と思ったことがありました。

    2005年のナビスコカップ決勝では、延長含め120分間0−0でしたが、お互いに守り合ったのではなくて攻め合った上でのスコアレスでしたので、非常にハラハラドキドキ感が強く、そして最後のPK戦では、ガンバ一人目で絶対的安心感のあった遠藤保仁のPKを千葉の立石に防がれ、結果敗戦となりました。今では良い思い出ですが、初タイトルがかかっていた当時は落胆しましたし、その後にはリーグ優勝目前で足踏みして33節の千葉戦でも逆転負けして首位転落。前にも増して落ち込んで帰宅したことを覚えています。

    多分、2003年〜2006年にJ1クラブのサポーターだった人は、こんな感じの記憶があるでしょうし、その後の代表監督としての指揮も覚えているはずです。

    個人的な好き嫌いで言うと、確実に好きな監督でした。彼が日本人に問うた「日本サッカーの日本化」という命題は、解決に向けて三歩進んで二歩下がりつつも、本当に少しずつではありますが進んでいると思います。

    ただ、綺麗で完結した解答は今後も出ないでしょう。世界で進化し続けるサッカーに合わせて日本サッカーをグローバル化とローカライズし続けるしかないと思います。

    私の好きな作家にイギリスのG・K・チェスタトンがいますが、なんとなく、イビチャオシムにはチェスタトンを重ねてみてしまいます。おそらく、私個人がああいった、知性に裏付けられた諧謔と比喩と箴言を口にする人のことが好きなのだと思います。

    ヨーロッパ各地でも死去を悼むコメントが出ていますし、故人を偲ぶイベントが行われるようですが、日本でも追悼試合の構想があるとのニュースも見ました。それだけ、慕われる人でしたし、ただ単に名将というだけではない証でしょう。

  • 2022年5月4日J1リーグ第11節ガンバ大阪対北海道コンサドーレ札幌現地観戦の感想

    前日の試合結果により、暫定ながらついに降格圏に落ちたガンバ大阪は、北海道コンサドーレ札幌とのホームゲームを迎えました。

    かつての強豪としての誇りを失ってはいけないのは当たり前ですが、今のガンバは残念ながら強豪ではありません。2年連続で、かつ今年含めて5年で4回残留争いをするレベルのクラブです。その現在地を見失ってはいけません。今のガンバ大阪はこのポジションなのです。

    そのレベルのクラブになると、応援するのも辛いことはあります。勝つより負ける方が多いからです。それだけではお客は増えませんし売上も上がりません。クラブに対する興味や関心を持ってもらう施策は当然必要で、今日試合前に発表された、ガンバ大阪の新しいマスコットキャラクターもその文脈で考えても良いでしょう。

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    さて今日も快晴のパナソニックスタジアム吹田です。

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    ともかく試合はスタメンに中村仁郎が入りました。メンバー的には4−2−3−1のトップ下になるはずです。19年や20年にJ3でU23チームで躍動していた彼をJ1でのこのポジションで見られるのはかなり嬉しいことです。

    ただ、それ以上に驚きは本来左サイドバックの黒川を右サイドバックに入れたことです。柳澤がいるんだからすんなり使えば良いと思いますが……。

    さて前半、開始直後にいきなり被決定機を迎えましたがDF陣のクリアでしのぎました。先が思いやられましたが、その後は五分五分な感じ。ガンバの最初のシュートは左サイドからカットインして中村仁郎が放ちました。

    パトリックの高さに依存する攻撃が完全に破綻して、どう攻めるかを構築し始めたところの片野坂ガンバとしては、今日はかなりやれています。1トップにレアンドロペレイラがいますが彼に放り込まず、サイドと中央どちらもショート・ミドルレンジのグラウンダーパスで突破を試みます。

    しかし前半終了間際に札幌のCKでクォンが、それまでセットプレー時に何度も激しいマークをしていた宮澤を倒したとしてPKが相手に与えられました。時間帯としては最悪でしたが、ここで魅せたのがGK一森でした。ガブリエルシャビエルのPKをストップし、ゴール裏サポーターにガッツポーズを見せました。思わず観客も声を上げ、私もバックスタンドでウオオオと口に出してしまいました。

    そして前半終了。笛が鳴った直後にガンバの控え選手らも一森を囲んで大騒ぎでした。

    しかし前半を通じて、右SBに入った黒川、ボランチの奥野が見た感じ試合に上手く参加出来ていないというか、効果的なパスを出せていません。代えるかなと思っていたら、まずはレアンドロペレイラと黒川を下げて、山見と柳澤を入れました。

    代わって入った山見も今日はあまり良くないように見えましたが、中村と奥野を下げてパトリックと齊藤未月を投入。

    中村仁郎は持ち味を出せたと言えば出せましたが、まだまだ彼のポテンシャルはこの程度ではないはずです。今のガンバであのポジションが一番出来る選手だと思います。

    しかし前半から見ていても、あるいは以前からもダワンのポジショニングとボール奪取は素晴らしいですね。

    さて、パトリックが入ってからは彼中心にチャンスがいくつもありました。オープンな展開になっていたこともありますが、それよりもひたすらハイボールという戦術で相手も読みやすかった以前の戦い方よりも、かなり整理されている気がします。

    最後の交代枠は、左サイドに限らず攻守に躍動していた福田に代えてウェリントンシウバでした。守備の運動量を考えるとある意味賭けだなと感じました。

    そしてそのシウバが後半アディショナルタイムに、小野瀬のクロスを受けて菅野の目前でシュートを放つも防がれてしまいました。そして後半終了。

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    もう少しで賭けに勝つところだったのでした。こういうところはツキがないと思わなくもないですが、前半に続いて後半も一森のビッグセーブには何度も助けられたことを考えると、このスコアレスドローは価値ある勝ち点1に違いありません。

    この勝ち点1で暫定16位から3つ上がり、13位となりました。ACL組の浦和が1試合少ないのでこれも暫定ではあるのですが、それでも降格圏脱出です。

    前線にいるパトリックめがけてロングボールを蹴らなくても攻めることは出来るという試行がなされた試合だったと思います。得点という最終目的には到達できませんでしたが、やるべきことはようやく見えてきました。

    この内容は次節も続けるべきです。スタメンも中村仁郎はコンディションが問題なければ出すべきで、ダワン・福田も攻守のトランジションを考えると欠かせません。だいたいのベストメンバーは固まってきたのではないでしょうか。

    次はACL帰り、最下位で苦しむヴィッセル神戸とのホームゲームです。今日は次に期待を持てるスコアレスドローだったことは、試合後の選手達へのサポーターからの拍手を聞けば明らかです。

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  • 今どきの大多数への金品配布手段

    4月25日・26日にpovo2.0アプリ上での動作に一部不具合があったと言うことで、お詫びとしてauから24時間使い放題のプロモコードが送られてきました。確かに25日に300MB分のプロモコードを適用しようとしたら動作がおかしく、結局その時は楽天モバイルでつないでネットを使った記憶があります。

    もらう方はもちろんありがたいのですが、渡す企業側は単純に損失ですよね。それでも顧客対応としての在り方や、イメージ戦略など色々考慮しての施策なんでしょうけれど、povo2.0回線しか持っていない人にとっては後でお詫びプロモコードをもらっても腹立たしかったかも知れません。

    このGW前にありがたいプレゼントだと思った人が多かったと思いますが、さらに29日にはGWでの利用を応援!ということで、さらに24時間使い放題のプロモコードがTwitterで公開されていました。

    GW向けのコードの有効期間は5月8日までで、お詫びの方は6月30日まで利用出来ますので、遠方のアウェイゲームを見に行くときに使うことにします。

    トラブルに対するお詫びとして少額の返金を行うのは、どんな企業でも大変です。継続的に支払(企業からの請求)がある場合は、次回に相殺すれば良いのでしょうけれど、povo2.0は基本料0円ですので、返金するわけにもいかないのでプロモコードの配布というのが一番やりやすいはずです。

    既に解約して支払関係ない場合で何らかの支払をしないといけなくなると企業にとっては非常に面倒になります。かつてベネッセが個人情報漏洩によって顧客に500円分の金券を郵送したことがありましたが、あれは現在契約している人だけではなく、過去の顧客も含まれていたため、金券送付しかなかったのでしょう。

    昨年、みずほ銀行がシステム障害を起こしたとき、通帳がATMに飲み込まれてしまった人に対して5000円分のクオカードを配布しましたが、あれはお詫びの文書を送ることの方が重要だったのでしょうね。銀行なんですからその通帳の口座に直接振り込んでしまった方が、経費も時間もかからないのですから。

    スマホゲームではシステム障害やメンテナンスが長すぎて利用出来ないトラブルが起きたときに、「詫び石」プレゼントというのが習慣化されています。課金システムのあるゲームや、月額課金制のサービスであれば、トラブル時のお詫びの渡し方はやりやすいですね。

    飲食店で誰かがまとめて払ってから割り勘したり、小銭がないときにジュース代を立て替えてもらったりなど、個人間でもちょっとしたお金の貸し借りをした際に、お札を崩さないと現金での返金は出来ませんでしたが、今ではPayPayなどで個人間送金が簡単に出来るようになりました。

    リアルマネーは少しずつ利用が減ってきています。中国ほどのキャッシュレス化ではないですが、お詫びで企業から顧客に現金を渡すことはもうめったにないでしょうね。

    とはいえ、私自身の経験としては、3年前に台風の影響でANAのフライトが遅れて、伊丹から関空に着陸先が変更になったときは、電車賃として現金を封筒に入れてもらいましたが、その場で渡すならそれしか無いでしょう。マイルは要らないという人もいるでしょうし、飛行機の乗客だと旅行者もいて、クオカードを渡されても使い切れないというケースもありますよね。

    そう考えると、将来的にはいっそのことビットコインで全てのやり取りしてしまった方が手っ取り早い気がしてきました。そもそもビットコインの使い方がそういうものだったはずでした。今では売買で儲ける野心に利用される存在になっていますが。

  • 違法コピーDVD販売の根絶と、フリーミアムモデルのエンタメ分野での普及

    先日、久し振りに大阪は日本橋の電気街に行きましたが、歩道の屋根の柱に
    「皆様のおかげで違法コピーDVDを根絶出来ました」
    といった内容の掲示が出ていました。

    いつから出ていたのか知りませんが、確かに以前はよく路上販売がありました。折りたたみの机を出して並べていたり、車道に駐めている軽ワゴン車の後ろを開けて売っていました。

    2000年頃からおそらく10年くらいは、大阪ローカルニュースで取り上げられるほどの社会問題化していました。浪速警察署から徒歩数分の場所でよくやるなあとも思いましたが、警察の威信をかけての取り締まりや、電気街の商店主ら民間レベルでの道行く人への呼びかけもあって、こういう違法コピーDVD販売が無くなったのですが、一番大きな理由は、そもそもDVDを購入して自宅で鑑賞する人自体が減ったことでしょう。

    映画を含む動画コンテンツは今ではストリーミングサービスで見る時代です。レンタルDVDショップもどんどん減っています。当然購入する人も減っているはずで、日本橋ではアダルトものの専門店はいくつかありますが、言い換えれば18禁ではない一般作品のDVDは、違法コピーが商売として成り立たないほどに需要が減っているとも言えます。

    DVD需要が旺盛だったから違法コピーが後を絶たなかったのですが、需要そのものが減ったら違法も何も無くなったのです。業界も別にわざとそうしたのではないのですが、焦土戦術のような形で違法コピーDVD販売が無くなった形になります。

    ネット時代になって逆に著作権侵害に悩まされるようになったのが、漫画・コミックです。漫画村問題はかなり対策に時間がかかりました。今でも残党というか似たようなサイトはあるのでしょう。

    極端な言い方をすれば、全ての漫画が合法的に無料になれば、漫画村のようなサイトは無くなります。そこで読むメリットが無いからです。もちろん、全てを無料になど出来ませんが、多くの正式な漫画サイト・アプリなどでは全部もしくは一部の漫画を無料で読むことが出来ます。それでも人気の・有料の・最新の漫画のために違法サイトを利用する人もいるでしょうが、利用者が減ればアフィリエイト収入も減って、違法行為をする側のインセンティブも減ります。

    90年代末の音楽ダウンロードに関して、ナップスターというサービスが裁判沙汰になりましたが、その後のApple MusicによるDRM無しでの販売のように、制限を無くすことでそもそも違法(脱法)的な悪用が意味をなさなくなりました。映画・漫画・音楽といったエンターテインメント分野における、限りなくゼロ円に近付いていく流れは、どんな分野でも似たようなものでしょう。

    その代わりに、NFTのように限定されたものに付加価値を帯びさせるというのも、一つのマネタイズ手法でしょう。一部の有料客が多数の無料客を支えるフリーミアムモデルは最初はDropboxのようなところから始まり、今ではYouTubeやSpotifyのエンタメ分野で普及しました。

    もしかしたら値上げで話題になったDAZNやNetflixでも広告付無料プランが出てくるかも知れません。それで有料プランの負担も減ってくれると良いのですが。

  • iPhoneSE 第一世代を今さらながら買ってみた

    中古PC・携帯ショップのイオシスで中古CランクのiPhoneSE第一世代が5,980円と安かったので買ってみました。

    https://iosys.co.jp/items/smartphone/iphonese/au/iphonese_a1723/163622

    4月30日時点でまだまだ台数はあるようです。

    保証無しのジャンク品ではなく、3ヶ月保証付きですのでサブ的、あるいはメイン端末が故障したときの緊急事態用の予備と考えればお得だと思います。

    店頭で実際に現物を見せてもらい、バッテリーの状態も最大容量の97%ものがあったのでそれにしました。Cランクだから結構傷もあるんだろうな、と思っていましたが、目視で分かるのは背面上部に一つ、Lightningコネクタとマイクの間に一つ傷が目立つだけで、液晶側は綺麗でした。

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    上記リンク先にあるように、付属品無し本体のみで、今の時点でA9チップというのはかなり古いので、スマホ初級者向きではありません。割り切って使う分には良いのではないでしょうか。

    現時点で最新のiOS15.4.1もインストール出来ます。FeliCaは付いていませんが、Apple Watchは紐付けられるので、そちらで決済は出来ます。無接点充電もありませんが、まあ我慢できます。ケース・液晶フィルムも手軽に手に入らなくなりつつありますが、5,980円の値段ならそもそも裸運用して傷つけても大して惜しくはありません。

    あくまでサブ的に使う分には全く問題無いですね。メイン端末であるiPhone12miniに入れていた楽天モバイルのnanoSIMを、このiPhoneSE第一世代に入れると、キャリア設定のアップデートを促されて、それをすれば後は何もせずに楽天モバイルで電話もネット回線も使えます。

    サブ的に使うつもりでしたが、やはりこのサイズのiPhoneは良いですね。小さいことは良いことです。個人的にはスマホの大型化には否定的な気持ちがあるので、このサイズのiPhoneが存在しないのは残念ですし、次期iPhoneである14ではminiモデルが無くなるらしいので、なおさら残念です。

    iPhone12miniと並べてみました。十分に小さい12miniですが、さすがに初代SEと比べると一回り大きく見えます。

    iPhone2台

    A9チップでも画面解像度が小さいので、処理速度の遅さはそれほど気になりません。もちろん動作が重いアプリを使えば別でしょうけれど、連絡ツールと音楽・YouTubeだけならこれをメイン端末にしても良いくらいです。Apple Watchも使えますし。

    問題は、次のバージョンのiOSがサポートするかどうかです。iPhoneSE第一世代のA9チップよりも一つ前の世代に当たる、A8チップ搭載のiPhone6/6 Plusのサポートは、iOS12.4.2で終わっています。それを考えるとiOS9から始まり、iOS15までサポートされるA9チップの凄さを感じますが、この秋に出るiOS16はさすがに厳しいかも知れません。

    昨今のAppleは修理する権利をApple製品ユーザーに一部認めたりして、かなり融和的な姿勢になってきていますので、一部機能限定してでも最新OSを旧製品でサポートしてくれるかも、と一縷の望みは持てます。

    まあ、5,980円で買った中古品にどれだけ望むのかという話ではあるのですが。

  • DAZNの「J.ZONE PLUS」を懐かしみつつ、Netflixの不正利用問題を思う

    スポーツ配信サービスであるDAZNには、かつて「J.ZONE PLUS」というチャンネルというかサービスがありました。

    画面を4分割して、J1やJ2の同時刻開催の試合を3つ流し、残りの1画面で実況・解説・ゲストが好き放題に喋る面白い企画だったのですが、なぜかいつの間にか無くなってしまいました。

    私個人は非常に楽しんでいたのですが、人気がなかったのでしょうか。DAZNは1アカウントで同時に2デバイスで視聴可能ですので、贔屓チーム(私ならガンバ大阪)の試合はタブレットで見つつ、パソコン画面で「J.ZONE PLUS」を映して同時に4試合の映像を見ることが出来ました。

    単純に視聴数が少なくて需要が無いと判断されてしまったのであればしょうがないのですが、もしそれ以外の理由があるならそれはそれで残念です。

    JリーグがDAZNとの大型契約を締結する前は、スカパー!が全試合放送していました。テレビの他にオンデマンド配信もあり、スカパー!オンデマンドは同時視聴デバイス数の制限は無かったので、テレビ・パソコン・タブレット・スマホと4試合同時視聴も出来ましたし、デバイスさえあればもっと可能でしたが、人間の視力や脳内処理の方がそもそも追いつきません。

    ともかく、今のDAZNでは同時に2試合しか見ることが出来ません。NHK BSなどでのテレビ中継がある場合は、それを含めて3試合は可能ですが、それでもかつてのスカパー!時代や「J.ZONE PLUS」があった頃よりは減ってしまいます。

    同時視聴デバイス数の制限を緩和してくれるのなら別に良いのですけれど、Netflixにおける同一アカウント不正利用問題を考えると、DAZNが緩和してくれるとも思えません。

    私はNetflixは利用していないので、いまいちアカウントと同時視聴可能数の関係を分かっていませんが、少し前に家族共有用のプランを、家族以外の人と共有する不正利用が結構あり、その不正を防ぐためにNetflix側も色々対策しているそうです。

    そもそもログインした時のIPアドレスで国が異なっていたら片方のログインや視聴をブロックしてしまえば良いのでは?と思ったのですが、その場合、国外にいる家族と共有出来ないとか、契約者本人が外国旅行したときに視聴できないようになってしまうのでダメなのでしょう。

    そう言えば、DAZNは国ごとに視聴可能コンテンツが異なるはずですが、Netflixは多分、全世界的に同じですよね。

    Netflixは世界中で同じコンテンツを見られるからこそ、コンテンツを購入・制作する強大なパワーを持つことが出来るので、利用するアカウントを国ごとに細かく視聴可能コンテンツを分ける方が、総合的に見ると売上利益が減ってしまう、と考えているのかも知れません。

    ただ、不正利用対策のために不正利用罰金的な料金を課すという新たな取り組みは、さらに不正利用を招きかねないと思うのですがどうなんでしょうか。

    そう考えると、民放テレビの広告料金だけで賄って視聴者は無料でコンテンツを楽しめる、というビジネスモデルは非常に良く出来たものだと思ってしまいます。それを破壊しつつあるストリーミングサービスが、ビジネスモデルの維持に苦しんでいるというのは皮肉な話ですが、これはさらに新たなビジネスモデルの創出につながるのでしょうか。

    そのモデルにおいて、制作側・配信側・視聴側の誰もが納得出来る仕組みになっていれば良いのですが。

  • Twitterの将来は2ちゃんねるみたいになるかも

    Twitterをイーロンマスクが買収することが正式に決まりました。紆余曲折ありましたが、個人としてはものすごい買い物となりますが、まあそれくらいの稼ぎや資産がある人なので大丈夫なのでしょう。

    今後のTwitterに関しては、好意的に見る人、否定的に見る人と分かれているようです。マスク氏による買収話は、言論の自由を何よりも重要視している人にとっては朗報ですし、SNSにおける人権侵害などを重視している人にとっては悲報になります。

    Twitterの運営グループがTweet内容を削除することを言論弾圧だと考える人たち、例えばアメリカのトランプ前大統領やブラジルのボルソナロ大統領のような人にとってみれば、自分やその支持者たちのTweetが弾圧されていることに不満だったのでしょう。もちろん、彼らのような独裁的な政治家以外にも、「思想信条の自由」という人権を適切に扱うべきと考えるリベラル派の人も、今回の買収には好意的なはずです。

    ただ、マスク氏所有のTwitterにおける「自由」は、あくまで彼にとっての自由であり、彼が考える自由の範囲で自由が保証されます。本人はイーロンマスク批判を行うTweetも認めるようですが、他の人にとっての自由の枠が同じとも限りません。これが違ったらTwitter上での自由を求める罵倒合戦になりそうな気がします。

    TwitterというSNSにおいて、イーロンマスク氏は有能な独裁者として運営することは可能でしょう。現実の政治の世界でも本当に有能で誠実な独裁者であれば、民主主義よりも国家は発展するでしょうけれど、悲しいことにその独裁者がいつまでも有能とは限らず、豹変して暴君になることは古今東西枚挙に暇がありません。

    また、Twitterの無制限の自由さに嫌気が差して逃げ出す人も出てくるかも知れません。Twitterクローンみたいなサービスが出てきたり、あるいは既にある別のSNSをTwitter的に利用したり、Twitter利用者が分裂していくのではないでしょうか。

    かつて日本における巨大掲示板として君臨していた2ちゃんねるは、乗っ取りだの分裂だの改名だの色々ありましたが、Twitterも将来的には様々な未来が待っているような気がします。