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  • 「中国の土地」はだれのものか? 中国の「土地はだれのものか?」

    1987年、高騰する地価に警鐘を鳴らす「土地はだれのものか」というNHK特集が3回シリーズで放送されました。当時は1985年のプラザ合意後に進んだ異常なバブル景気が土地次いで株価の高騰を引き起こし、自宅を買えないどころか住んでいる土地を地上げによって奪われたり、大きな社会問題になっていました。1987年の放送時からも土地価格は上昇していましたが、91年頃には地価も株価も下落して、失われた10年・20年・30年の始まりとなりました。

    「土地はだれのものか」ということを日本人は、浮かれて忘れていた後に現実を見せつけられたわけですが、これからの中国では同じ現象が起きるのでしょうか。

    日本の土地バブル崩壊は大蔵省による総量規制がきっかけで起きましたが、今回の中国でも政府による融資引き締めが恒大集団の事実上の破綻を招きました。

    それに加えて、これまで試験的に実施されていた不動産税という、日本の固定資産税に当たる新税の導入が決まりました。かなりの反対があったと言われていますが、これが受け入れられるかどうかは習近平国家主席の権力基盤が確かかどうかを示す試金石となるかも知れません。

    本来、共産主義国家では本来国有の土地を、50年や70年の期限で地方政府から使用権を購入することが出来ます。急激な経済成長に伴って使用権の売買も盛んになりましたが、そもそもの経済成長自体、土地使用権を売って得た巨額の資金を地方政府が国有・国営企業に注ぎ込んで発展してきたところがあります。いわばタコが自らの足を食って巨大化してきたようなものです。共産党政府が成立したことで国有になった土地を売って得た資金ですから、無から有を生んだような資金です。

    不動産業がGDP全体の3割ほどと言われ、土地売買や不動産取引がもし沈み込むと中国経済全体に波及する可能性があります。恒大集団の破綻、不動産セクターの落ち込みだけでなく、地方政府の収入にも影響が及べば、他の産業や人民への政府サービスにも悪影響があり得ます。

    不動産市場が機能しなくなると、多額の費用を払っても自分の物にならないという中国政府の仕組みに対して不満を持つ民衆も出てくるでしょうけれど、それだけで政府の支配にヒビが入ったり、習近平体制が崩壊することなどは無いでしょう。むしろ、政府も国民もデルタ株によるものと思われる再度の新型コロナウイルスの感染拡大の方が問題でしょうし、冬季北京五輪の方が気掛かりでしょう。

    何か中国で起きるとしたら、来年秋の党大会で習近平体制が事実上の終身体制になるタイミングでしょうね。

  • ドキドキしながらMontereyにアップグレードしてみる

    毎年秋に新しくリリースされる、Macの新しいOSはたいてい不具合があります。特に今年のMontereyや昨年のBig Surは、結構深刻な不具合があってユーザーからは相当な非難を浴びていました。今私が使っているM1 Mac miniは初めからBig Surが入っていて、幸いなことに自分の環境ではほぼ問題無かったのでこの1年は満足できましたが、Montereyにアップするのは様子見していましたが、もうそろそろ良いかなと思い、アップしてみます。

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    怖いのは、Montereyにアップグレードした一部のMacで起動しなくなることですが、Appleのサポートでは電源が入らない場合、Apple Silicon/
    T2チップのファームウェアを、「別のMacと接続して」復元するのだそうです。

    私はMac mini 2018モデルを持っているから良いのですが、みんながみんなMacを複数台持っているわけではないでしょうに、なかなかのキツさの対策です。なんなら、EUにはこの辺にも切り込んでほしいところです。

    https://applech2.com/archives/20211108-apple-direct-revive-apple-t2-firmware-monterey-bricked-issue.html

    こちらのブログによると、iPhoneからMacの復元がいずれ可能になりそう、ということですので、それならまだマシです。というかむしろMacを持っていてiPhoneを持っていない人は結構稀でしょう。

    ともかく、実際にアップグレードしてみます。

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    Montereyをインストールする際、再起動のボタンを押したら
    「インストールの準備中にエラーが起きました。このアプリケーションをもう一度実行してください。」
    というエラーメッセージが出てきました。

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    そこから再起動すると普通にアップグレードされずに立ち上がったため、念のためセキュリティソフトを無効にした状態で再度Montereyへのアップグレードを行うと、今度はエラーも無く実行出来ました。

    意外と短い時間で無事再起動できて、しっかりアップグレードに成功しました。

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    何か変なことはあるだろうなと思っていましたが、既知の不具合としてネットで流れていたように、ATOKが日本語入力設定から消えていました。これはシステム環境設定→キーボード→入力ソースとたどって、+ボタンからATOKを再度追加すれば問題ありません。

    それ以外では、デスクトップがメインモニタとサブモニタが勝手に入れ替わっていて、4kモニタの方が解像度がドットバイドットになっていたくらいで、特に不具合には遭遇していません。

    Big SurでもMontereyでも不具合に遭遇していない私が幸運なのか、あくまで不具合はごく一部に限られるのか分かりませんが、とりあえずは先日購入したスティックPCのWindows11、iPhoneとiPadに入れているiOS15と合わせて一応、所有するデバイスで最新OSを体験できます。Android12は有りませんが。楽天モバイルがRakuten Handへのアップグレードを提供してくれれば良かったのに……。

  • 感情をマイナスに動かす広告の時代

    今の中年以上の人たちは、私も含めて、インターネット・SNSが無い時代とある時代を経験しています。情報伝達・情報収集に関してだけではなく、世の中のあらゆる分野において、IT・インターネット・SNSは重大な存在になりましたが、無かった頃を知らない世代が今後は増え続けることになります。

    それは情報を受ける時、特に広告に出くわす時にもふと思ってしまいます。広告は私が子どもの頃は、テレビ、新聞、チラシ、看板で見るものでしたが、今ではネット広告がすごい勢いで伸びています。単純な金額比較で言えば、まだまだ従来のマスメディアにおける広告費の方が上ですが、影響力についてはどうでしょうか?

    ネット広告は不正問題も抱えていますが、一応の理屈上は、消費者が起こしたアクションに対して表示します。従来型の広告が、マス媒体に載せる段階で費用が発生し、実際に消費者に届くのは一部であることを考えると、その分効率が良いとも言えます。

    影響力がある一方で、それは悪い方向、思ってもみなかった方向にも動きやすい面もあります。

    多額の広告費用をかけて、一気に露出を増やすと逆にヘイトが集まってしまうのも今の時代の特徴でしょう。

    テレビにしろ新聞にしろ、あるいはネットにしろ、広告によって成り立っている媒体ではありますが、同じ広告を大量に見かけるようになるとウンザリしてしまうのは無理からぬことです。

    ただ、昔なら何らかの広告を嫌に感じたとしても、身内や友人や同僚、同級生たちに愚痴を言うくらいで済んでいましたが、今の時代ではSNSであっという間に世間の共感を呼びます。いわゆる炎上の一形態になってしまいます。

    広告主、広告代理店側といった広告を仕掛ける側が、かえってイメージダウンになってしまうのです。SNSの無い時代なら、広告宣伝費用をかけて失敗しても、そこで撤退すればそれ以上の損害はありませんでした。

    しかし現代では、炎上して商品・サービスなどのイメージが悪くなることで、費用をかけたのにむしろ損失が出る恐れがあります。

    炎上商法というやり方もありますが、焦土戦術のようなものであって、いつまでも続けられるものでもありません。効果を保つためには過激化していくしかありませんし、行き着く先は何らかの違法行為です。第一、まともな広告であれば炎上商法には出来ません。

    ただ耳目を集めれば良かった20世紀の広告形態とは明らかに異なります。

    18世紀は啓蒙思想
    19世紀はロマン主義
    20世紀はイデオロギー
    が時代を動かす原動力になってきましたが、この21世紀は個人感情で大半のことが動きます。

    個人感情をコントロールしようとして炎上する広告は、多分今後も後を絶たないでしょう。

  • 夢を叶えやすいかも知れない日本サッカー界

    Jリーグのクラブのアカデミーから上に上がれず、高校や大学を経てプロになる選手が結構います。多分、例を出す必要も無いくらいたくさんいますが、ガンバのアカデミーからトップチームに上がれなかったけれど日本代表にまでなった人だけでも、本田圭佑・東口順昭というベテランに加え、最近では鎌田大地のような新星も出てきました。その他のレジェンドでも中村俊輔がマリノスのジュニアユースから桐光学園を経てマリノスに入ったことは有名でしょう。

    昇格させなかったクラブの判断は批判されがちですが、その分、高校や大学の環境が、その選手によりマッチした結果での成長という面もあるでしょうから、一概には言えないと思います。それよりむしろ、早熟ではなく遅咲きの選手にとってはクラブアカデミーでの活躍が出来なくても、高校・大学で成長することで再度プロ契約のチャンスが出てくるとしたら、いわば選手の才能を出来るだけ取りこぼさないシステムが、今の日本サッカーには築かれているとも言えるはずです。

    ここで思うに、高校や大学での実績を元にプロ契約する選手が少ない、日本以外の国では遅咲きの選手の取りこぼしが結構あるのではないか、という疑問です。

    もちろん、ヨーロッパでも南米でも遅咲きの選手はいます。20代の半ばや後半を過ぎてからビッグクラブで活躍したり、代表に選ばれたりするケースはそんなに珍しくありませんが、たいていの場合は、各国の下の方のリーグでくすぶっていたのが、ある時に花開くといった感じです。

    プロ契約が出来ずに仕事をしながら下部リーグでプレーしていて、そこで活躍してトップリーグに引き抜かれるという選手は、日本にだって何人もいます。

    そうではなくて、いわば第三の道とでもいうべき、高校大学を経て成長した選手がプロ契約をするパターンが日本では一般的でもあります。

    プロクラブにとってもその選手に対する判断を再度出来るチャンスが再度出てくるわけです。もちろん、高校大学で活躍すればするほど、獲得の競合となるわけですが、クラブにとっても選手にとってもメリットは大きいはずです。

    この点から考えると、今の日本サッカーは問題点はいくらでも挙げられるでしょうけれど、独自の路線で育成するプロセスが備わっているのは、他国と比べて良い点でしょう。

    もちろん、単にプロになれれば良いというわけでもありません。プロ選手にならずに学業・就職に専念する人生を歩んだ方が良かった、と思う人もいるでしょう。

    プロになれる選手の数は決まっています。クラブ数が増えない限りは、辞めた選手や外国に行った選手の数の分だけしか、新しい選手は増えません。プロになってからももちろん厳しい競争が待っています。

    適当なところで諦めて、仕事に専念した方が良いかもしれないが、夢を諦めるということは、その夢に真剣であればあるほど辛いものです。

    夢の可能性があるのは幸せでもあり残酷ですよね。

  • 2021年11月7日J1リーグ第35節大分トリニータ対ガンバ大阪DAZN観戦の感想

    2021年11月7日J1リーグ第35節大分トリニータ対ガンバ大阪DAZN観戦の感想
    土曜日に徳島が敗れたため、ガンバは直接対決の大分戦に引き分ければ自力でのJ1残留が決まることになりました。ガンバが降格する条件としては、今日の試合を含めて4連敗して、降格圏の大分が4連勝、さらに柏、湘南、清水がガンバを順位で抜くことですので、かなり可能性は低くなっています。

    ほぼ残留が決まっている状況ですが、大幅にはメンバーを変えてはこないだろうと思っていました。前節途中退場した藤春が復帰しているのは嬉しいニュースです。控えには特別指定の山見が入りました。

    対する大分には先発に呉屋、控えに長澤と元ガンバ勢がいます。夏のホームゲームでは宇佐美の劇的決勝ゴールでの逆転勝利をガンバが収めましたが、今回は最低でも引き分けに持ち込まねばなりません。

    前半は大分が積極的に攻めてきます。引き分けで良いガンバと勝つしかない大分との差と言えばそれまでですが、まるで前節のマリノス戦と立場が逆になったようです。悪く言ったら攻められっぱなし、良く言ってもいつも通りですね。

    ガンバの初シュートは23分の宇佐美でした。この時点で押されていることが分かります。だいたい20分くらいのところから、ガンバがカウンターで大分陣内に攻め込むシーンが増えてきました。

    と思ったところで28分、大分の左からのクロスをはじきに行った藤春がまさかのドンピシャヘッドでオウンゴールを叩き込みます。

    前半のうちには追いついておかないと苦しくなるなあ、と嘆き節で見ていたら、失点直後のガンバが左サイドで山本が相手のパスを奪い、すぐにグラウンダーのクロスを入れてパトリックが右足で合わせて同点。

    あっという間に0−0が1−1になりました。なんやこれ。

    その後は一進一退、お互いに素早く攻めてゴール近くまで行けばシュート、出来なければ遅攻はあまり成功しません。

    39分には東口と山本の連携が取れずに低い位置でボールを失い、挙げ句にシュートが呉屋の胸に当たってそのままゴール。失点は偶然でも取られ方が悪すぎました。これでまたビハインド。

    キックオフ直後に高尾が危険なフライングアタックをしてしまって警告を受けたり、今日のガンバは緊張感がみなぎっているとは言えません。

    47分にも大分のFKから頭で合わされますがシュートは東口の正面で助かりました。

    前半は2−1のまま終了。ガンバとしてはピリッとした感がない45分となってしまいました。

    後半開始からカードをもらった高尾に代えて昌子が久し振りの出場で、これで3バックになるでしょう。大分も長澤が出てきました。ガンバは同点に追いつかねばなりませんが、控えの中でヒーローになれるとしたら山見でしょうか。

    50分には危険なシーンがありましたが直後、相手ゴール前で福田が競り合い、倉田がこぼれ球をシュートした軌道をパトリックがわずかに触ってゴール。これでまた2−2の同点になりました。

    激しい攻防と言うより、どちらも残留争いして当然という失点が続きます。ただ、ガンバの攻守の切り替えは良くなったような気がします。そして65分、倉田に代えて山見登場。

    直後に浮き球を打とうとした宇佐美と井手口が接触してしまい、井手口はかなり痛そうでしたが戻りました。

    68分には宇佐美がドリブルで持ち込んでシュートを放つも相手GKの正面で弾かれました。

    75分、チャンスを逃してたまま宇佐美は小野瀬と交代で下がりました。これで山見が前目に入るのでしょう。79分にはその山見にもシュートチャンスがありましたが決められず。

    焦りから雑になってきた大分に対して攻めるガンバは82分、ドリブルで切れ込んで打った山見のシュートを大分DF刀根がガッツリ片腕一本でブロックしてしまいPKゲット! この直前の場面では、逆の大分のシュートを菅沼が手を上げてスライディングしましたが、シュート自体は菅沼の足に当たりましたので、わずかな差が明暗を分けた格好です。

    これをパトリックが右隅にしっかり決めて逆転! パトリックは久し振りのハットトリック達成です。もしかしたら2014年の鳥栖戦以来でしょうか?

    これで意地でも無理矢理攻撃するしかなくなった大分は、ロングボールを長澤の頭に入れてもその後が続きません。

    91分に山本と福田を下げ、柳澤とチュセジョンを入れて5バックに。いよいと守り切る体勢になりました。

    そして危なげなく試合終了。失点シーンを別にすれば見事な逆転勝ちでした。そして3試合残して自力でのJ1残留を決めました。

    今日のマン・オブ・ザ・マッチは何と言っても3得点のパトリックです。完全に崩されてはいないのに2失点したながらを断ち切ってくれました。途中出場の山見もいくつもシュートを打ち、PK獲得の殊勲を上げ、リーグ戦は3連勝という前向きになれる状況となりました。後はどれだけ順位を上げられますかね。ガンバサポとしてはセレッソは抜いてくれと思いますが、向こうも監督交代後は上げ潮ですからねえ。

    ともかくガンバにとって残り3試合は、来年を頭に入れながらの試合になります。かえって気楽に戦えて良い結果につながりそうな気もします。

  • 大統領制のコストと権威

    皇族を巡る騒ぎがまだ続きますが、以前、立憲君主制として避けられないコストだと言うようなことを書きました。

    https://hrsgmb.com/n/n3bd58a77dbce

    直接、政治に関わるわけではなく、実務的には儀礼上の制度である立憲君主制は、維持していくにはそれなりにコストが掛かりますが、無くせば丸々税金が浮くということにもなりません。

    君主制を止めたら首相を権威でもトップの存在にするか、あるいは名目上のトップである大統領制を敷くか、はたまた権力も持った大統領を選出するか、いずれかの国体を選ぶことになります。

    おそらく世界で最も有名な大統領制であるアメリカ合衆国を例にとると、この制度が結構なコストがかかることに気づきます。

    4年に1度の大統領選は、アメリカとしての国家が一つになって盛り上がる祭りのようなものです。民主党と共和党のそれぞれの大統領候補者を選ぶ予備選が全米で大いに盛り上がり、企業や個人からの献金が飛び交います。そして両党の候補者同士がこれまた全米で大騒ぎします。

    日本人から見て選挙観が異なるのが、一般人、さほど裕福でもない人でも自分が指示する候補者に個人献金を注ぎ込むことです。もちろん、大企業が自社に有利になる政策、つまりは利権を求めて献金して、当選したら利権を得る仕組みでもありますので、個人からも企業からも金で買われる大統領と言うことも可能です。

    保守もリベラルも関係なしに多額の献金を集めるか、そうでなければロス・ペローのように大富豪でないと大統領選は戦えません。

    この大統領選に費やされる献金やら経費やらを全部貧困層の福祉に回せば相当な額になるが、そうすべきというアメリカ人はまずいないでしょう。

    また、4年か8年に一人、必ず元大統領が生まれて、死ぬまで年金やシークレットサービスの経費が必要になります。若くして大統領になったクリントンやオバマはおそらく、数十年間の警護費用がかかります。昔に比べて数が減った日本の皇族の警護費用と比べてどうでしょうね。

    権力の無い大統領だと、選挙費用や警護費用も多少は安くなるでしょうけれど、それはそれで結局は交代可能で世襲しない君主制のようなものです。多少はコストは下がるでしょうけれど、選挙の費用はかかりますし、もし君主制の国が国体を変えるとしたら、政治的なリソースやコストは大きなものでしょう。何かしらのとんでもない事態でも発生しないと起こり得ないでしょう。

    儀礼的な大統領には大して権威もありません。もし、議会を支配した首相が暴走したときに、権威の無い大統領が歯止めを効かせられるか、という問題もあります。そこでストッパーになれないなら、そもそもそんな大統領も不要でしょう。

    その一方で、立憲君主制でコストを減らし過ぎると結局権威も無くなります。権威がある君主制であれば、議会を支配した首相が暴走したときにストップをかけられる可能性は残ります。

    昭和天皇は満州某重大事件での田中義一内閣に怒りを見せて辞任をさせたことを後悔していましたが、完全に行き詰まった太平洋戦争では御聖断を仰がれてポツダム宣言受諾を決めました。あの時は首相の決定だけでは軍部は止められなかったでしょう。御聖断があってもクーデター未遂も起きたくらいでしたし。

    かつてのタイでのプミポン国王は、クーデターや政変がたびたび起きる中でも超然的立場で仲裁していました。

    権威がある君主制は国民の支持を失った政府へのカウンター、国民にとっての精神的な支えになり得ます。

    権威と権力の分離によってイギリスも日本も何とか安定した政治になっています。もちろん、問題は山ほどあるでしょうけれど、歴史も伝統も無視して無理やり欧米式の大統領制を強引に持ち込んだ途上国では、大統領に権威も権力も集中してしまっていて、激しい権力闘争、憲法の無理な改正、クーデターなどが頻発します。

    アメリカ合衆国大統領は知名度やメディア的な影響力と比べて、振るえる権力は限られていますが、そこは取り入れずに大統領を国家権力の頂点のようにしている国が、政治的に安定するわけもありません。

    立憲君主制の維持が良いか、あるいは共和制なり大統領制なり他の制度なりが良いか、選択するには相当な準備と調査と検討が必要ですね。何か一つの理由でどうのこうの言うことでもないでしょう。

  • スティックPC「S41」を使ってM1 MacからWindows11で遊ぶレビュー

    M1 Mac miniを使い始めてもう少しで1年経ちますが、性能的には不満はありません。動画・写真・音楽などの編集をするわけでもないですし、メモリ8GB、SSD256GBのいわゆる吊しのモデルでも私の使い方では十分でした。

    一つだけ不満というか叶わぬ願いがありますが、Parallels Desktopを使ったWindowsアプリの利用です。M1チップはIntelのx86アーキテクチャとは異なるため、Parallelsを使う場合でもArm専用Windowsを使う必要がありますが、現時点でParallelsの対応はされていますが肝心のMicrosoftがWindows on Armの正式な利用をユーザーに認めていません。

    そのうち使えるようになるかも知れませんが、そうなると今度は逆にこのMac miniのメモリの少なさが気になってきます。ただ、そもそもWindowsでないとダメなソフトウェアが今の私には昔のWindowsゲームくらいですので、だったらWindowsの実機を買えばいいだけの話です。それを起動した状態でリモートデスクトップで動かせば、Mac上でWindowsを使えます。出来ないのはParallelsで便利なCoherenceモード(MacアプリのようにWindowsアプリを単体で利用出来るモード)くらいです。

    ということで、Amazonのタイムセールに合わせて、ここ数年のあいだミニPCジャンルで存在感のある、MinusforumのS41というスティックPCを買いました。ロジクールのUSBレシーバー接続タイプのキーボード・マウス付で25,000円ほどでした。

    スティックPCが流行したのは5年くらい前ですが、当時使われていたCPUはほぼ全てAtomでした。Atomだと何をするにしても動作が遅く、結局使わなくなった人が多かったのではないでしょうか。スティックPC側をクライアントとして、メインのPCにリモートで接続するにしても遅いです。

    その後、スティック型ではなく立方体や直方体のようなミニPCの方が盛んになりました。比較的大きめのファンを積みやすいミニPCですと、Core i3やi5、あるいはRyzenなんかも使っているものがあります。

    もはや市場としては絶滅寸前のスティックPCですが、調べたところ何とかCeleron N4120を使っているものがあったので良かったです。このCPUならそこそこの動作速度が期待できますから。さらにこのN4120はIntelの第8世代のCPUのため、要求スペックが高いWindows11も動作します。TPM2.0もクリアしています。Windows11を動かせるCPUとしては最低ランクですが、そもそも4GBのメモリで重い作業をすることもありません。

    また、Celeron N4120はノートPC用の廉価CPUなので、このスティックPCではUSB-Cコネクタからの充電が可能です。ただ、色々ネットで調べてみると、結構怪しい充電方法みたいですので、多分普通のモバイルバッテリーでは満足に動きません。出力の大きなバッテリーやUSB-Cアダプタなら大丈夫でしょう。

    このN4120よりも上のグレードのCPUを使っているスティックPC・ミニPCはおそらく全てUSB給電ではなく独自ACアダプタを使っているはずです。

    本体の入っている箱はこちら。

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    裏面にスペックシートがありました。

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    本体はこちら。

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    マウス・キーボードも付属。

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    ロジクール製のMK245というマウスとキーボードです。Amazonでは2,000円ほどで単体で売られています。

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    触ってみたらプラスチック感満載で明らかに安っぽい作りですが、リモート接続するなら最初の設定以外は不要です。もしもの時の予備として保管しておきます。

    起動するとWindows11がさっさと表示されました。このスティックPCはWindows11 Pro版が入っていますので、Microsoft謹製のRemote Desktopが使えます。Windows11 Proのライセンスとマウス・キーボードだけでも、それぞれ個別に買えば2万円くらいにはなりますので、結構お得な買い物でした。

    ユーザーアカウントとRemote Desktopの設定を済ませ、ipconfigでローカルのIPアドレスを確認し、Mac側でもMicrosoftのRemote Desktopアプリを使えば、同一ネットワークなのですんなりつながります。

    Mac使いなのにMacの最新OSであるMontereyは1秒も触っていないのに、Windows11を先にMac上で操作するというなかなかに変態ですが、これで思う存分、Macで古いWindowsゲームを楽しめます。

    このMinusforumのS41というスティックPCですが、内蔵されているCPUファンの風切り音が結構します。ただそのおかげでCPU使用率が100%に貼り付いていても熱は感じられません。これで4K 60fpsを2枚同時出力できるのですから大したものです。

    ファンの音がするので使わないときでも起動し続けておく、という使い方は出来ませんので、Windowsを使いたくなったら数秒で使えるParallels Desktopほどの機動性はありません。それでも、正規ライセンスでWindows11を何の懸念も無く使うための選択肢としては、このスティックPCは結構良い選択肢だったと思います。

    必ず外部接続のモニターを使用するM1 Mac miniユーザーが、正規のWindows11を使うやり方としてはこれが一番確実でしょうね。

  • 家本レフェリーの大団円

    「終わり良ければ全て良し」
    とはよく言いますが、この言葉の大元と言えるのは中国で古くから伝わる「詩経」にある、
    「初め有らざるなし、克く終わり有る鮮し(はじめあらざるなし、よくおわりあるすくなし)」
    という言葉です。

    初めは誰でも良いけれど、そのまま最後まで良い状態で終わりを迎える者は少ないという意味ですので、
    「終わり良ければ全て良し」
    とは少し意味合いが違います。こちらの方は、最初や途中がダメでも最後が上手く行けばオールオッケー!といった感じです。

    とはいえ、良い状態で終えられることが本来は少ないからこそ、どちらにしてもこういう言葉があるわけです。

    https://www.jleague.jp/news/article/20975/?utm_source=twitter&utm_medium=social

    先日、今シーズンで家本政明プロフェッショナルレフェリーが勇退することを発表しました。このニュースを見たときに、上記の言葉が思い浮かびました。

    2000年代にはいくつもジャッジに批判があり、その時期にJリーグを見ていた人は一度は贔屓チームが誤審の餌食になったかも知れません。ガンバ大阪でも覚えているのは2005年のホームでの川崎フロンターレ戦で、終了間際にオフサイドとハンドを見逃されて失点して同点に追いつかれたことがありました。その直後に勝ち越して勝ったので後になっては良い思い出でしたが、その試合で勝てていなければ最終的には優勝できていなかったかも知れないです。

    その後も、もちろん判定を巡る批判が起きることはありましたがずっと主審として試合を担当し続け、今年7月にはJリーグの主審として最多出場試合数を更新しました。

    ここ数年ではピッチ上で選手との積極的なコミュニケーションを取っているところがよく見られるようになり、今ではむしろ優れた主審として見るサッカーファンの方が多いでしょう。まさに勇退という引き際となりました。

    サッカーの審判なんて、視力と体力と判断力が高いレベルで要求される仕事ですが、その上で選手、副審、第四審それと今年からはVARともコミュニケーションを絶えず取り続けます。まともな判定で当たり前、間違えたらピッチでもネットでも叩かれるのですから、長く続けるということは自らの気力も、周りの評価とサポートも無いと出来ない仕事です。

    誤審の直接の被害にあった選手は大変だったでしょうけれど、家本主審の終わりはまさに大団円と言えると思います。

  • 2021年11月3日J1リーグ第34節横浜F・マリノス対ガンバ大阪DAZN観戦の感想

    リーグ戦も終盤にさしかかり、J1では優勝争いは全く盛り上がることもなく、川崎フロンターレがいつ優勝を決めるか、という状況です。昨年も1位の川崎に遠く離れた2位ガンバが追いすがりつつも止められませんでしたが、今年もマリノスが2位で川崎の優勝をいつまで伸ばすか、という程度の優勝争いになっています。

    そしてそんなマリノスはホームにガンバを迎えての34節は、川崎が勝ち点を得てマリノスが負けるか、マリノスが引き分けて川崎が勝てば優勝決定です。図らずもガンバが優勝決定に関わる状況になってしまいました。ガンバとしてはマリノスのその辺の心理的な難しさを利用して勝ち点ゲット出来れば良いのですが。

    今日のガンバはレッズに敗れた天皇杯準々決勝と比べてスタメンは、左サイドバックに藤春、ボランチに山本、2列目に福田と倉田が入れ替わって入りました。

    J1の試合で13時開始というのは珍しいですね。同じ時間にはNHKで川崎対浦和の試合が放送されていますので、優勝決定試合をNHKで放送するために13時ちょうどではなく、NHKの5分ニュースが終わってからのキックオフです。

    さて前半、5分に高い位置でボールを奪って宇佐美が絶好機を迎えましたらシュートははるか上空に行ってしまいました。

    マリノスは細かくつないでサイドから、ガンバはシンプルに後ろから縦に速く、という対照的な構図で始まりました。ガンバから見れば意外と戦えているという印象を受けます。

    18分には攻め上がる山本がボールを失い、マリノスが最後にはバイシクルシュートがバーに当たりました。これは取られ方が良くなかったですね。

    ずっとポゼッションではマリノス優位ですが、そんなことは織り込み済みで、カウンターとセットプレーが狙い目なのはゲームプラン通りでしょう。

    藤春が競り合いで背中から落ちてしまいずっと苦しそうでしたが、43分になって結局、黒川と交代となりました。現時点では次節以降がどうかは分かりませんが、またサイドバックが手薄になります。柳澤を途中に取っていなければ控えがゼロになるところでした。

    前半終了間際、近い位置でのマリノスのFKも右に外れて、0−0で45分が終わりました。ガンバとしてはプラン通りの結果でしょう。マリノスは当然早くリードしたかったでしょうけれど。

    選手交代無く始まった後半開始直後に、マリノスの左サイドからのクロスがエウベルに入ってシュートを打たれましたが大きく外れて助かりました。

    54分、扇原の強烈なミドルシュートを東口が防いだ直後、ガンバが先制に成功します。

    左サイドで黒川と山本がキープして山本がクロス、エリア内に侵入した倉田が滑り込んで上手く合わせたゴールを決めました。まさかのシーズン初得点ですが、倉田の能力からすれば遅すぎるリーグ初得点です。それだけ今年のガンバも倉田も苦しんだ1年でした。

    70分に宇佐美と柳澤に代えてシウバと高尾が入りました。

    73分にはカウンターを食らって仲川にフリーで打たれましたが枠を外れてくれました。

    次いで76分に山本から奥野、福田から小野瀬にスイッチ。これで5人交代となりました。奥野が指を3本立てて、3バックという指示を伝えました。事実上の5バックですね。黒川、佐藤、福田、高尾、小野瀬の5人がDFラインに並びます。そうなると中盤で人手が不足しますので、攻めるときはパトリックとシウバのドリブルだけに頼ることになります。

    90分に、スローインする前田のヒジに自ら頭をぶつけて痛がるシウバに遅延行為で警告という、SNSでネタにされそうなシーンがありましたが、ひたすらガンバは守り続けます。
    さらに92分にもゴールキックをしない東口に遅延行為で警告。94分に松原のシュートは左に外れました。

    こちらがアディショナルタイムの間に、等々力での川崎対浦和の試合は1−1での引き分けに終わりました。そしてマリノス対ガンバも0−1のまま試合終了。

    これによって川崎フロンターレの2連覇が決まりました。勝ち点差が開いていたのでマリノスも逆転優勝が現実的とは思っていなかったでしょうけれど、下位のガンバに敗れての2位以下確定は想定でしょうね。

    ガンバはこれで勝ち点40になりました。リーグ戦だけで言えば、この3試合で勝ち点7を稼いでいますので、ここに来て何とか形が出来はじめているような印象を受けます。遅すぎますけど。

    残留ラインは個人的に40ポイントと思っていますので、これでまず残留できるはずです。下位チームがもっと勝ち点が今時点で多ければ、2018年のように41ポイントに中位の12位から入れ替え戦の16位が並ぶこともあり得ますが、今年の勝ち点状況ならあり得ません。

    100%確定ではありませんが、残り4試合は来季を見据えつつという試合になるでしょう。色々報道が出てきそうな気がしますが、来シーズンに楽しい妄想をしたいものです。

  • 全てがコモディティ化していく世界

    インドでGoogleが現地企業と組んで低価格スマホを出すそうです。インドメディアでの情報では日本円にして5000円未満になるとのことで、もはやどこで儲けるのか分からないレベルです。

    iPhoneやGalaxyなどは高価格帯での販売を維持していますが、市場が巨大かつ競争も激しい中国では、HUAWEI、Xiaomi、OPPOやその他有象無象の大量のメーカーが価格競争を行っています。

    スマホとしての基本的な機能だけであれば、販売価格でも1万円(100米ドル)を切る価格で出せるほどです。

    私は先日、iPhone12miniに機種変更しましたが、ケースと保護シートはどちらも100円ショップで買いました。コモディティ化を見るなら日本の100円ショップは典型的なケースになるはずです。数多くの商品が100円で売られています。中には200円、300円や500円といったものもありますが、どちらにせよ同等の機能をそこそこの質で作れば、数百円〜1000円以上するものが100円からの値段で売られているのです。

    今の世界では大半の商品がコモディティ化しました。もちろん上質のものであれば安くは手に入りませんが、質を問わなければ安く手に入るものがほとんどです。

    家電製品というか、電気で動くレベル製品で一般人が使う商品であればコモディティ化していない分野はありません。

    インドや中国の状況を見ると、やはり人口が大きいのは強いですね。国内競争によって国際競争力が自然と付いてきます。

    思えば、かつての日本もそうでした。カシオ・シャープ・キヤノンらによる激しい電卓戦争が代表的なものですが、それ以外の大半の家電製品も日本の家電メーカーが国内競争によって国際競争力を身に付け、世界的なシェアを獲得していました。90年代以降しか知らない若い世代には信じられないかも知れませんが。

    さて、家電製品の全てがコモディティ化していく中で、それ以上高額のものとなると、自動車と家くらいです。自動車もしばらく前にインドのタタ・モーターズが30万円弱の値段で販売していましたが、今ではもう売っていないようです。

    自動車に関してはテスラの高級路線だけではなく、廉価な電気自動車もまた出てくるでしょうね。

    そして家も、巨大な3Dプリンターで製作する実例が世界では見られるようになりました。国土が狭く、建築基準法が厳しい日本ではなかなか難しいでしょうけれど、プリンターとその運搬費と材料費、デザイン費だけで家の建築が出来る時代が近付いています。

    商品だけではなくサービスも同じでしょう。労働集約的な産業でのサービス提供は、人件費が原価になります。原価を下げれば利益が上がります。コロナ禍によりオンライン化が加速した世界では、労働者がサービスを提供するよりも、AI・ウェブサービス上のボットで賄えるのなら人件費削減=増益になるのですから、オンライン経由のサービスはAIによるコモディティ化は必然的なものになるでしょうね。

  • 試合に勝って勝負に負けたかも知れない野党共闘

    ※2021年11月1日朝追記
    寝て起きたら立憲民主党が改選前議席から大きく減らしていました。試合に勝ったとも言えないですね。自民党と立憲民主党の間では引き分けでしょう。笑ったのは維新の会だけです。

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    令和の世になって初めての衆議院議員総選挙が昨日行われました。

    まだ開票作業中で選挙結果の大勢が確定したとは言えない状況ですが、テレビ各局の予想が正しいなら、自民単独での過半数がギリギリ、自公政権での安定多数もギリギリといったところでしょう。

    政権交代は起きず、自公政権による岸田内閣は継続されます。まあ今回の総選挙での政権交代が実現するとは、与党も野党も思ってはいなかったでしょうけれど。ただ、国会の常任委員会での野党からの追及はこれまで通りかこれまで以上に行われるでしょうし、場合によっては交わしきれず、委員会で紛糾することもあるでしょう。

    立憲民主党を中心とする野党連合の戦略は半分当たりました。ただその一方で、与党寄り・右寄りの維新が議席を大幅に増やしたのが、野党連合側にとっては誤算でしょう。容易に想像できたことではありますが。結局のところ自民・公明が減らした分を維新が受け取り、他の野党が減らした分を立憲民主党が受け取った格好です。

    躍進した維新の会ですが、地域別に見ると大阪での議席増、特に小選挙区でのボロ勝ちが目立ちます。とは言っても、ちょうど一年前に行われた二度目の大阪都構想を巡る住民投票でも維新は2度目の敗北を喫したのですから、大阪において積極的な維新支持が増えたわけではないはずです。あくまで自民・公明には投票したくないけれど、野党連合もいやだという人が維新に入れたケースが多いのだと思われます。

    その一方で大阪府外での各地で維新の票が伸びなかったのは、単に自民党の受け皿になり得ないほど人気・知名度が無かっただけでしょう。投票行動に関しては、後ほど詳細な調査結果が出てくるはずです。

    自公政権が議席を減らしたことは野党共闘による勝利!と言いたいところでしょうけれど、さらに与党が議席を減らして過半数割れしていれば、当然、維新の会を合わせた自民・維新・公明による3党連立という話が上がっていたに違いありません。もしも、維新の会が政権運営のキャスティングボートを握るとしたら、むしろ野党連合としては悪夢です。改憲論議が維新に引っ張られて進展する可能性が高まります。

    例えば国会運営上で膠着状態になった時に、維新と手を組むぞ、という素振りを自公政権が見せた場合、野党連合側は応じざるを得なくなってしまいます。そこで自維公の連立でなくとも、維新がバーター取引で国会での協力と引き換えに改憲での実力行使を要求したらどうなるでしょうか?

    結局のところ、野党連合は政権批判によってある程度の成果は得られたでしょうけれど、自民・公明の得票を減らせても、自分たちの得票を大して増やせず、却って改憲意欲が豊富な維新の会の力を付けさせてしまったことは失敗と言わざるを得ません。

    国民、有権者、支持者へのアピールとしては今回の選挙結果を良しと言えるでしょうが、果たして長期的な展望から見て本当に良しと言えるかどうかは疑問です。

    来年の参議院選挙でも同じようなことをして、同じような結果になると、衆参両院で改憲要件を満たしかねません。本気で改憲を防ぎたいなら戦い方を変えるしかありません。

    自民も公明も党内が改憲賛成で一色ではなく、公明はむしろ改憲するかどうかは国民次第と一歩引いている感もあります。自民党内でも全員がすぐにでも改憲したいと思っているわけではありません。

    政権交代にしろ改憲阻止にしろ、野党側が考えている理想的な結果は、野党の勝利によって得られるのではなく、与党内の分裂を誘うことでしか得られないでしょう。

    まあ、自民・維新・公明の三党連立なんて仲良く出来るとは思えないのですが。

  • アップされないAndroidスマホはどうするべきか

    楽天モバイルがAndroid12にアップ出来る端末を発表しましたが、楽天モバイルモデルの4台(Rakuten mini、Rakuten BIG、Rakuten Hand、Rakuten BIG s)はいずれもアップデート対象から外れました。

    Rakutenminiは低スペックなので無理でしょうけれど、昨夏に出たフラッグシップのはずのBIGや昨秋に出たHandが外れているのはなかなかの問題です。というか、そもそも発売時点でもAndroid11ですらありません。

    最新(のはずの)スマホが最新のOSを積んでいないというのは個人的には違和感があります。キャリア販売のAndroid端末では珍しくないことですけれど。

    最新のOSは最新の機能の他に、それまでのOSに存在したセキュリティホールを塞いでいることもあります。セキュリティ的にも最新のOSの方が良いのは確かです。もちろん、Windows11が出た後のWindows10や、macOS Montereyが出た後のBig Sur、iOS15が出た後のiOS14なんかはセキュリティ上のサポートはされます。ただ、アップデートが出来ない端末、あるいは発売時点で最新ではないOSを堂々と売るのは、あまり詳しくない人にとっては罠じゃないかとも思います。

    iPhoneと比べてAndroidスマホは、バージョンアップ可能な端末は圧倒的に少ないです。iPhoneは、最新のiOS15でも2015年発売のiPhone6s世代までカバーしますが、Androidのアップデートはせいぜい1年か2年です。Google謹製でも3回あれば良い方です。一度もメジャーバージョンアップされないスマホも珍しくありません。

    パソコンではMacもWindowsも無料で数年は必ずバージョンアップ出来ますが、スマホ、特にAndroid端末が極端に寿命が短くなっています。セキュリティアップデートは、実際には数年は提供されますのでまだマシですが。

    サイドロード(本家のアプリストア以外でのインストール)が容易なAndroid端末がiPhoneよりもOSアップグレードがしづらいというのは、詳しくない人がなおさらセキュリティ上の問題を無意識に抱えていることになります。詳しくない人がサイドロードなんかするな、と言いたいところですが、詳しくないからこそ安易にサイドロードすると思うんですよね。

    OSアップが出来ない代わりに、Android端末はだいたいiPhoneよりも格安です。ハイエンドモデルはiPhoneと同等の値段ですが、安い物ならiPhoneの半値、三分の一などの価格です。1年2年毎に新しいAndroidOSを積んだAndroidスマホを買い替えていっても、iPhoneと比べて費用がかさむわけでもありません。

    しかしそうなると廃棄される端末が大量に出てきます。EUが充電ポート・ケーブルの規格統一を巡ってAppleと戦っていますが、ケーブルの無駄よりも端末の無駄にも注意を払ってほしいものです。

    環境保護のためというなら、ケーブルよりも製造にレアメタルやエネルギーを大量に使用するスマホ本体自体に、メーカーやキャリアへアップデートを義務付けというアイデアもあり得るでしょう。

    そもそも古いOSバージョンのスマホを使い続けることによる個人情報漏洩などのセキュリティの危機こそが問題です。この点で言えば、AndroidはiOSに比べると劣ります。

    かといって、自画自賛するようにAppleがセキュリティ上の問題が無いかというとそうでもなさそうです。最近ちょくちょく、セキュリティホールを見つけて報告したハッカーに対して、無視を決め込んで報奨金を支払わないケースがあるようですし。Appleの売上利益から考えると数万ドルの報奨金くらい端金でしょうに。