エプスタイン文書にまつわる大スキャンダルがいよいよ白日の下にさらされ始めています。欧米にいる当事者たちは戦々恐々どころではないのでしょうが、しょうがないですよね。まあ全容解明されて全員が見合った制裁や処罰を受けるところまではいかないかも知れませんが。
それはそれで問題になって当然の話なのではありますが、関係者によるリークやマスメディアによる追求、そして一般市民が非難するというのは、ある意味、まともな民主国家だからこそ為せる業です。本当にまともな国ならこんなスキャンダル起きないといいたいところですが、いつでもどこでも変態はいるものです。
そう、変態はどこにでもいるのであれば、今回のエプスタイン問題が持ち上がっている民主国家以外にも、独裁者が支配している国にも変態はいることは間違いのですが、そういった国は自らの正当性を示すために、欧米の民主国家におけるスキャンダルをことさら取り上げます。
一昔前で言えば、アメリカNSAのスパイ問題なんかは、エドワード・スノーデンが香港のメディアで告発したものであり、彼はアメリカ合衆国から逃れるためにロシアに事実上の亡命を行いました。ウィキリークスのジュリアン・アサンジはロンドンで逮捕されてアメリカに引き渡されそうになりましたが、結局はオーストラリアに帰国しています。
欧米民主国家の内部にある欺瞞を暴露した彼らですが、暴露された国家・政府や有力者によって暗殺や不当な拘束をされたわけではなく、今も命を永らえています。
その一方で、独裁国家では独裁者の政敵や政府批判を行う者を容赦なく暗殺してきます。それも国外で。
ロシアの元スパイのリトビネンコが亡命先のロンドンでポロニウムによる暗殺の憂き目にあったことや、その後にも別の元スパイの暗殺未遂事件も起きたことは、プーチン大統領が反逆者を追う執念深さを表しています。
北朝鮮は、金正日の後を継いだ金正恩が異母兄の金正男をまれイーシアで暗殺しましたし、それ以前にも金日成時代には韓国の全斗煥大統領をラオスで暗殺しようと爆弾テロも起こしました。
中国では習近平の政敵となりうる人物が何人も消息不明になるか、あるいは急死をしています。全員が全員暗殺されたと断言は出来ませんが、透明性はゼロに近いですね。それとは別に民間では、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波のように、自由と民主化を求めた人物を獄中死に追いやったのは、暗殺に近い行為です。ちなみに、中国はノーベル平和賞を否定するために孔子平和賞を作り出しましたが、戦間期にドイツ軍の暴露をしたオシエツキーがノーベル平和賞を受賞したことに反発したナチスドイツがドイツ芸術科学国家賞を作ったのと同じですね。
話を戻すと、西側民主国家は別に天国でもなく楽園でもないですし、欺瞞も陰謀も存在してはいますが、だからといってそれを非難する独裁国家が正当性を得るわけではないのです。
公文書が残っているからこそリークも暴露もできるわけで、逆説的に民主国家の修正可能性を示しています。もちろん、そもそもアカンことではあるのですが。
同じ西側諸国でも、西側の中からも批判されているイスラエルなんかはこの「政治スキャンダルからの修正可能性」の枠から、はみ出ていますけどね。
多分日本も、欧米から見たら人質司法の問題とか、難民の扱いとか、自民党長期政権とかが理解できないでしょうから、その枠から出ていると思われているかも知れません。少なくとも、公文書の取り扱いは長く続いている問題ですけれど、政治家も官僚も解決したいと思っていないのですから当分変わるはずないですね。









